Friday, August 31, 2007

 米国の外国語学習はスペイン語がダントツ…でもそんなの関係ねぇ!!



はい、オッパピー。   潮風です。





みなさん………大変長らくお待たせしましたっ!!

『エリンが挑戦!にほんごできます。』DVD発売 です。*1


 


ヽ( ゚▽゚)ノ☆;:*:;☆;:*:;☆;:*:;☆;:*:;☆ ネ兄 ☆;:*:;☆;:*:;☆;:*:;☆;:*:;☆ヽ(゚▽゚ )/


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このDVDには、2006年10月~2007年3月までにNHK教育テレビで放映*2された第1課~第8課の内容が収録されているのと、





さらに!!!





テレビでは放映されなかった追加映像が含まれております!!((⊂((〃≧⊥≦〃))⊃))くぅ~!!たまらんっ





しかも潮風的には結構驚いたのですが、2520円と結構お手頃価格での販売☆


ハーイ、シツモーン! (/*・・)o  「で、どこで買える??」といいますと

このDVDは、日本語教材を取り扱う国内外の大手書店やインターネットで購入*3することができます。もちろん、JFICショップ・日本語国際センター凡人社売店・関西国際センター凡人社売店も売っていて、なんと定価1割引で購入可能です☆*4




ちなみにサスガ、世界展開を前提にしているエリンちゃん、5カ国語での字幕がついています*5





が。




実はエリンちゃん、既に一足早く米国デビューしちゃってました。*6


今日はDVD発売を記念して、ロサンゼルス事務所からそのエリンちゃん秘話をお届けします。 どうぞー。


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みなさん、こんにちは。ロサンゼルス事務所サブカル担当(自称)の磯鍋です。今回は、DVD教材『エリンが挑戦!にほんごできます。』の発売を記念して、米国の日本語教育事情をご紹介いたします。




現在米国では世界で4番目に大きな日本語学習者人口を抱え、約14万人が日本語を勉強していると言われています。*7その中でも特に高校生以下の学習者人口は約8万8千人。東京ドーム二杯分近くのアメリカ人中高生が日々カリカリと日本語学習に励んでいるのを想像すると、なんだか


      .。oO すげーっ!日本語、人気あんじゃん!


( ̄□ ̄;)


と思ってしまいません?私も、


「やったねっ!ヒホッ ・:*:・( ̄∀ ̄ )。・:*:・」

と自慢げに鼻を鳴らしていたのですが、よ~く調べてみると、なななーんと米国では400万人以上の高校生がスペイン語を勉強しているではありませんか!*8


(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)


しかも、スペイン語は他の言語に比して圧倒的に多すぎてしまい、外国語データの比較をする時にスペイン語をヨコニ\( ̄_\)(/_ ̄)/ オイトイテ、スペイン語抜きで話が進んでしまうこともあるくらいの殿堂入り的扱われぶり。こんな状況だから、比率で見ると高校生の日本語学習者数は米国の高校生全体の1パーセントにも満たないんですね。(´・ω・`)ショボーン


いやいや、1パーセント未満ってことは、99パーセント以上の畑が未開拓ということじゃ!まだまだ日本語学習の市場は広げられるぞ!もっと多くのアメリカ人に日本語学習の楽しさの種を蒔いて日米交流の花を咲かせるのじゃ!


ヤッタルゼッ (`・ω・´;) b ビシッ!!


と、志を高く持ってはいるものの、現実はまさに100万のペルシア軍と戦うスパルタ王レオニダスかはたまた四面楚歌の項羽かといった状況。日本の約25倍の面積という広大な米国。国内だけでも最長6時間の時差があり、米領グアムも入れた日にゃどないせぇっちゅうんじゃいっっっっ!


ヽ(`Д´)ノ ウ


.ヽ`Д´)  ワ


 (ヽ`Д)   ア


 (  ヽ`)    ァ


 (   ヽ     ァ


ヽ(   )ノ     ァ


.ヽ   )      ァ


 (ヽ  )       ァ


 (Д´ヽ)       ァ


 (`Д´ヽ        ァ


ヽ(`Д´)ノ        ン!!


と、いつもより多く回りながらブチ切れそうになった時に軽やかに舞い降りた守護天使、それがエリンちゃんでした。





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.。oO エリンどぇーすっ♪



                      


























続く




*1:えっ?!エリンちゃん誰だっけ?
そんな人は、まよわずこのブログの過去記事から復習してくださいっ!⇒http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/archive?word=%a5%a8%a5%ea%a5%f3)
そしてもちろんジャパンファウンデーションHPも⇒http://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_rsorcs/erin.html


*2:2007年4月より再放送中!
教育テレビ 本放送: 金曜(木曜深夜) 午前0:00~0:20
再放送: 金曜 午前 5:10~ 5:30


*3:教材販売元の凡人社サイト(http://www.bonjinsha.com/)以外にも、潮風がググッたところ、ジュング堂やlivedoor BOOKSにもあるみたいですね。'-'


*4:JFICショップでの割引販売はサポーターズクラブ会員の方のみが対象です


*5:NTSC版では、日本語・英語・中国語・ハングル・ポルトガル語の5言語、PAL版では日本語・英語・中国語から字幕表示言語を選択できる仕様になってます。リージョンコードはフリーです。


*6:いや、正確にいうとNHKワールドでも番組が放送されていたので、とっくに世界デビューしているのですが、今回は「紙媒体で」ってことで、見逃してくださいっ (汗 


*7:2005, 国際交流基金,『海外の日本語教育の現状 日本語教育機関調査2003年』


*8:2002, American Council on the Teaching of Foreign Languages, Foreign Language Enrollments in Public Secondary Schools, Fall 2000





Thursday, August 30, 2007

速報 2007国際交流基金賞 源氏翻訳者タイラー氏に決定!






本日、2007年度度国際交流基金賞*1受賞者が発表となりました!!


本年度、国際交流基金賞に輝いたのは・・・





。+゚*。+゚☆ ロイヤル・タイラー氏 Royall TYLER (オーストラリア)☆゚+。*゚+。











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そのほかの受賞者とプロフィールは→→こちら*2








ねえねえ、ところでタイラーさんってどんな人なの?




日本人ならきっと一度は読んだことがある紫式部の『源氏物語』*3


これを原文に忠実かつ優れた英訳“The Tale of Genji”として世に広めたのがこちら、タイラー氏なのです。


ちなみにあの花散里はThe Lady of The Falling Flowers


ほほーぅ、たしかに。あらためて英語で読んだら、新しい源氏像が浮かぶかも!?





来る10月にはタイラー氏ご本人が来日され、基金賞受賞記念講演会が行われます。


翻訳者としても人気の柴田元幸氏、沼野充義氏もご登壇予定です♪





ところで写真にうつっている動物が、気になったあなた!なかなか優れた観察眼をお持ちです。


オーストラリア在住のタイラーさん、な、な、なーんとキャンベラ郊外にアルパカ牧場をお持ちなのだそう。


さすが、日本とはスケールが違います・・・。





引き続き10月3日の基金賞授賞式でも、受賞者たちの素顔をレポートしていきますので、お見逃しなく!!





。+゚*。+゚☆。+゚*。+。+゚*。+゚☆゚☆。+゚*。+゚☆。+゚。+゚*。+゚☆*。+゚☆。+゚*。+゚☆




*1:ジャパンファウンデーションでは、1973年年以来、学術・芸術など文化活動を通じて日本と海外の相互理解の促進に顕著な貢献のあった個人または団体に対し、「国際交流基金賞」・「国際交流奨励賞」を授賞しています。


*22005年はご存知、宮崎駿監督、2006年はジョー&悦子・プライスさんが受賞されました。


*3:実は来年、2008年は源氏ミレニアム、つまり物語が書かれた1008年からちょうど千年目の記念すべき年なのです。ジャパンファウンデーションでも、世界各地でこれにちなんだイベントを開催予定です。





Tuesday, August 28, 2007

「ものを書くこと」のススメ Part2






今日は引き続き、小川忠さんインタビューをお届けしましょう(Part1は、こちら)。


単なる日記やつぶやき、感想などを超えて、活字として発信していくということの意味は?---早速、どうぞ♪





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Q:何かに関心を持ったとしても、それを「本にする」というところまではなかなかたどりつかないですよね(・・;) 最近は、ブログやMixiなどのSNSで日記的に自分の感じたことをまとめている人などは、実は結構いると思うのですが、それを「出版する」となると一気にハードルが高くなるような・・・


A:入としては「ブログ」とか「SNS」とかを使って書いていく、というのでいいと思うんです。でも、それをより多くの人に発信したいと思えば、やっぱり「思いつき」を裏付けるための「調査」が必要になってくる。「加工」が必要なんですね。「本」にしていくということはつまり、自分の視点を相対化する試みです。大変な作業ですが、それもこれも「好きだから」こそできるんですよ。つまんなきゃやんないって(笑)。


                         (前列右端が小川さんです)


f:id:japanfoundation:20060822200819j:image:right国際交流を通じて相互理解を深めていくという行為は、人の「先入観」とか「偏見」をひっくり返す、ということだと思います。国際交流の世界で25年間働いてきて、経験則的に言えるのは、人は誰でも、無自覚のうちに偏見や先入観を持っていて、これを満たしてくれるものを書いたほうが喜ばれたりする。安心できるんでしょうね。逆に、その思いを満たしてくれないものは失望されることも多いのです。


でも、ちゃんと裏づけがあれば人は関心を持ってくれます。だから、自分が「おや?」と感じた瞬間をきっかけに「みんなこういってるけど本当にそうなのかな?」と調べまくる。それで、先入観や偏見をひっくり返すような議論が展開できれば、人は読んでくれますよ(笑)。






Q:それにしても小川さんは、若手の飲み会にも必ず参加されていますし(笑)、一体いつ、調べ物をしたり、書き物をしたりされているんだろう?と不思議に思うんですが・・・


A:はは。


片道40分の通勤電車が読書の時間になっています。40分×2×5で、一週間で6時間以上の時間が取れるわけでしょ。貴重ですよ。で、こうした「インプット」を2年間くらい続けてたまったものを、今度は週末を利用して一気に書き上げるスタイルです。書き始めると、大体3ヶ月くらいで書きあがる感じですね。





Q:す、すごい。


通勤時間の利用とかは、わかっちゃいるけど、なかなかできないですよね・・・。


さあ、いろいろお話を伺ってまいりましたが、最後の質問です。今後の野望というか、展望を教えてください!


A:後は、日本のこと、日本の原理主義のことをもう少し詰めて書いていきたいかな。あと、もっと多くの人に発信していこうとするとやっぱり言語の問題がありますよね。実は共著の本で英語のものがもう少しで出るのですが、それも含めて、今後英語での発信を心がけていきたい。





それから、ジャパンファウンデーションの活動分野である「国際交流」をもっと盛り上げていきたいですね。予算がどんどん減って、なかなか難しい時代ですが、こう、わくわくするような事業をやって盛り上げていきたい。そんな感じです。





最後に、これからJFの海外事務所に駐在していくであろう若い職員に伝えたいのですが、JFの海外事務所で働くということは、個人のみならず日本社会にとっても貴重な体験です。なぜなら赴任する国と、2年とか3年、文化を通じてじっくり向き合う機会を与えられるのだから。大使館やメディア特派員は政治、企業の方々は経済中心で、JF海外駐在のように文化を通じて駐在国と接するポストは多くない。文化だから見えてくるものもあるのです。公費で海外駐在しているJF職員は、そうした貴重な体験を、我々を送り出してくれた社会に還元していくべきじゃないかな。皆、がんばって筆をとってください。





(一同)小川さん、今日はどうもありがとうございました!



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<インタビューを終えて>





実はこのあと、ブログチームメンバーと小川さんとで飲みにいって、さらにいろいろとお話をしたわけですが(^^)v、いざ帰ろう、となったときにたまたま近くにあった小川さんのカバンを手渡そうと思ったオレペコそのあまりの重さ に驚いてしまいました・・・まるで中に大きな石がたくさん詰まっているかのよう。この重みが、小川さんにインプットされていく知識の重み、、、帰りは疲れちゃって軽い小説とかしか読んでいない自分がちょっと恥ずかしくなってしまいました(・・。)ゞ





今回、インタビューをしたほかのメンバーも、それぞれ感じるところがあったようです。


まずは、お笑い大好き、三富さん。






 ○印象に残った言葉


「(我々職員も含め)無自覚のなかで偏見や先入観を持っている。」という言葉が印象に残りました。


無自覚だからこそ、誰かに指摘されなくては気づかないことですが、国際交流を裏方で支える職員としては、いろんな情報源から情報や知識を吸収して、偏ったものの見方を正すよう日々努力しなくてはいけないな、と痛感しました。


 ○通勤時間の有効活用について


私の場合、片道1時間半くらいかかるので、年間750時間くらい通勤に費やしているんですよね。この時間も無駄にしてはいけないな、と感じました。(といいつつも、今日もつり革につかまりながらウトウトしてしまいましたが。)



潮風さんは、どうでしょう。



 ○印象に残った言葉


~日常生活の中で、「おや?」と思うことを見つけるのが大事。「本を書く」というのは、その気づきを書き留めて調べていく(学術的な裏づけを取る)ということ。~


人は無自覚の偏見、先入観をもっているが、それを打ち破ることの大切さを話していらっしゃいました。その偏見、先入観を打ち破るきっかけこそが「おや?」と感じることなのだと思いました。そして小川さんの場合は、執筆活動を通して、そのきっかけを多くの人と共有しているのだなぁと。


国際交流基金が行っている事業を始めとして、諸外国からのいろいろなインプットがある昨今。自分の「おや?」を探知できるように、アンテナに磨きをかけていきたいと思いました。





~好きだから。好きなことは苦痛じゃない。~


文章を書く、調べものをする等々について。自分の仕事、自分のやっていることを「好きだから」という理由で語れるオジサンは、かっこいいと素直に思う。(そんなオバサンになれるかな・・・)



最後は、みかんちゃん。新人さんだけに、スポンジのようにさまざまなことを吸収しつつある彼女は、思うところも多かったようです。






お話の中で印象的だったのは・・・ 「98年のインド赴任当時、インドを嫌いな日本人は多かった。でもニューデリーでの駐在経験を経て、インドの悪口は言いたくないと思うようになった。また相手を理解しようとする努力をした」という言葉でした。

今や誰でも海外に出かけるのが容易な時代。同じような気持ちになったことあるある!という方も多いのでは?必ずしも好きなわけではないけれど、インドを悪く言われると、思わず弁護したくなるような気持ち。ある国を知るとそう思うのはごく自然な気がします。

今まで全然知らなかった国も、たとえばひとりの友達に出会ったら「あっ、○○さんの国だ」と思わずTVのニュースが目に留まったりしますよね。ヽ(^^ヽ)最近では、実際に訪れたことがなくっても、シアトル⇒イチロー、ボストン⇒松坂、なーんてTVのおかげで急に異国の地が身近になったりもしました。

ジャパンファウンデーションの事業もそんな皆さんにとってのきっかけの一つになれば、と改めて思いました。偶然見た一本の映画、一冊の本、そんなちょっとした出会いによって、人の輪が世界に広がっていったら素敵ですよね。



うーん。


これだけいろんなことを考えるきっかけを作ってくださった小川さん、改めて、ありがとうございましたっ!





Monday, August 27, 2007

「ものを書くこと」のススメ Part1



みなさんこんにちは!


今日は、ジャパンファウンデーションきっての文筆家、小川忠さんとブログチームとの対談の模様をお届けしましょう




小川さんの最新刊 『テロと救済の原理主義』 は、この間、Casa Asiaのガエルさんへのインタビュー後記で松岡さんが触れていたことで記憶に残っている人も多いのでは*1?実はサポーターズクラブでも本人のコメントとともに紹介されていますし*2、アマゾンで検索してももちろん、ほら、でてきます(笑。こちら)。


[rakuten:book:12079772:detail]





で、対談ですが、もちろん、この本の内容についてもお聞きしてはいるのですが、焦点は別のところに置くことにしました。というのも、小川さんは以前から、国際交流に携わる若手の職員に向けて 「自分の問題意識を、文字に落として発信していくように」 ということを何度も主張されているからです。研究者でも文筆家でもない、国際交流の専門家だからこそ持ちうる視点、書けるテーマってなんなのでしょう?そもそもどういうきっかけで物を書き始めるの??





これから国際交流に携わろうと思っている人、既にその道に踏み出している人、あるいは、分野にかかわらず、自分の考えを対外的にどんどんアピールしていきたい人、、、そんなあなたに必読の対談となりました!ではでは、どうぞ。





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■『テロと救済の原理主義』について






Q:「テロ」と「原理主義」を結びつけて論じる文章は多々目にしますが、そこに「救済」という言葉が入っているのが印象的なタイトルです。この本で伝えたかったメッセージを簡単に教えていただけますか?


A: ょうどインドに赴任していた時期(1998-2001)、ヒンドゥー・ナショナリズム政党が政権を握っていたことが「ナショナリズムと社会・文化」に対して関心を高めるきっかけでした。たとえば、イスラム原理主義などは、狂信的、攻撃的イメージで語られがちだけれども、本当にそうなのかな、と。過激派という一言で片付けられてしまう自爆テロ犯なども、その人となりを調べていくと、実はもともとはまじめな、普通の青年だったりする。よくよく考えると、過激な人が過激なことをするから怖いのではなく、案外自分と近い、「ふつう」の人が、「ある状況」に直面したときにテロリストになってしまうことのほうが怖いのではないか。だとすれば、ふつうの人を駆り立ててしまう「ある状況」って何なのだろう、という感じで考えていったんです。


イスラムって本当は実に多様。なのにすぐに過激派と結び付けられる。でも、宗教が本当に原因なのか?と。むしろ、社会体制や政治状況のほうが問題なのではないかという視点ですね。





Q:それを検証していく過程で、日本の戦前の日蓮主義と比較されていますね。このイスラムと日蓮主義の比較って、今まであまり見たことがないのですが、こうした研究はこれまでにも、なされていたものなのでしょうか?それとも小川さん独自の視点でしょうか?


A: れまでもあるにはあるでしょうけど、数は少ないと思います。


学術研究というのは、最近は特にそうですが、専門分野が細分化し、その専門分野で深く掘り下げていく傾向にあるので、たとえば今回私がとったような視点でアジアの近代化体験を比較してみるような研究は意外と少ないんですよ。ある意味、非常に挑戦的な、危ない議論をしているなあと自分でも思うところもあるのですが、これは研究者ではなく、ジャーナリストや国際交流の専門家だからこそとりうる視点ではないでしょうか。


ただ、重要なことは「思いつき」だけだとまったく意味がない、ということです。誰も振り向いてくれません。自分が肌身で感じて「おや?」と思ったことは常にチェックする。調べてみる。そうやって思いつきを補強していくのが大事なんですね。






■国際文化交流の専門家が、ものを書くということ




Q:学術研究との比較が出てきたところで、ぐぐっと今回の対談のポイントに迫っていきたいのですが(笑)、そもそも小川さんご自身が執筆活動を始められたのはいつごろで、どういうきっかけがあったのでしょうか?


A: 冊目の本『インドネシア-多民族国家の模索』(1993、岩波新書)については、「本を書こう」と思って書いたものではないんです。というのも、国際交流基金に入って最初の海外赴任先だったインドネシアのジャカルタにいるとき、「業務月報」には書かないような、もっと個人的な見解なんかを、本部の仲間たちに月に一度程度送ってたんですよ。そしたらそれがある大学の先生の目に留まり、「本にしてみないか」って。だから、「調べて」書いたものではない。歩いて、歩いて、書いたものなんです(笑)。


 


「本を書くぞ」と思って書いたのは、二冊目の『ヒンドゥー・ナショナリズムの台頭』(2000年、NTT出版)が最初です。これが運よく、「アジア・太平洋賞特別賞」をいただけることになって、初めて「書くこと」に自信が持てたという感じですね。「偶然」ではなく、「本として出すこと」を意識して書いたものが、認められたわけですから。








Q:へええ。


最初から、文章を書くのが好きで好きで仕方なくて、満を持して書かれたのかと思っていたので、なんだか意外ですね。ちなみに、1冊目から2冊目の間は7年間という月日が流れていますが、この間はネタを集めていた、という感じなのでしょうか?


A: や、その7年間は、特に書き溜めたりしていたわけではないんですよ。むしろ、1冊目はまぐれというか幸運というか、そういう感じだったので、自分が本を書けるなんて思っていなかった。JFでの配属部署も総務部で行革を担当していたりして忙しかったし。


それが、1998年から、今度はインドのニューデリー事務所の所長として赴任できることになり、状況が変わりました。やっぱり、海外に出るといろいろと感性が刺激される。冒頭にも言いましたが、自分の関心の中心が「ナショナリズムと社会」「ナショナリズムと文化」であることをはっきりと自覚し始めたのもこの時期です。そこに運よく出版社の声がかかったこともあって2冊目を書きました。


(つづく)



今日はここまで !(*^-')/~Bye


明日は、「ブログなどで日記や感想を綴ること」と、「本にして出してより多くの人に共有してもらうこと」との違い、それから、小川さんの今後の展望(野望?笑)などについてお届けしますよー。お楽しみにっ!!


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*1:その記事は、こちらです。


*2こちらをご覧ください。





Friday, August 24, 2007

「地球を、開けよう。」ブログ、祝16万アクセス達成!!






16万なんて中途半端な? ま、いいんですO(≧∇≦)O


それより、いつもご覧頂いているみなさま、


たまたま通りがかってくれたみなさま、ありがとうございます!


これからも当ブログの応援よろしくお願いいたします。(ブログチーム一同。)








ところで皆さん、“google analytics”ってご存知ですか?





最近では、お手軽なSNSの日記から、ブログ、HPと、誰もが自由に発信できるメディアがたくさん。


SNSといえばmixiYouTubeMySpace・・・先日みかんのところには、フランスの友人から、Waynへのお誘いが来ました。ここまで増えると、どのSNSにすべきか、なんて迷ってる方も多いのではないでしょうか?





だからこそ、アクセス数をはじめ、自分の書いたこと、どのくらい、どんな環境の人が見てくれてるのかな?って気になるとこですよね。


ぜーんぶ、わかっちゃうんです。google analyticsに登録するだけで。しかも無料です。まだの方、ぜひ試してみたら面白いですよ~。(JFブログでも近ごろ活用しているのです☆)





ジャパンファウンデーションのブログチームも、このページの向こうにある


皆さんの顔を思い浮かべつつ、これからも国内、海外からの最新情報をお送りしていきますので、ぜひぜひこれからも遊びに来てくださいね(*^□^*)♪





Thursday, August 23, 2007

ナツタン(夏短)って?!~浦和日本語国際センター(NC)だより Vol.1~






f:id:japanfoundation:20060814000205j:image:leftみなさん、こんにちは~。





日本語教育事業について関心がある方々に朗報です!今月から定期的に、浦和の日本語国際センターで実施されているさまざまな事業について報告記事が届くことになりました 


\(*^▽^*)/;・*.";.*: パチパチ





第一号は通称「ナツタン」についてです。


それでは、どうぞー!





・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。・゜゜・。


NCニコと申します(^-^*)/ハジメマシテ!


これから月に一度、ジャパンファウンデーションの附属機関である日本語国際センター(通称「NC」:Nihongo kokusai Center)の事業をご紹介することになりました。


今日はNCで今まさに行われている  「ナツタン(夏短)」 ・・・プログラムの正式名称は「海外日本語教師短期研修(夏期)」です・・・をご紹介したいと思います。





f:id:japanfoundation:20070118045527j:image:right各国の日本語教師である研修参加者たちが来日したのは7月4日。アジア全域から北米・中南米、西欧・東欧、中東・アフリカまで実に 26ヶ国54名、まさに世界中の先生方がNCに集まっています。8月24日までの52日間の研修期間中に、日本語や教授法の授業のほか、ホームステイ、歌舞伎鑑賞、茶道・書道の体験講座、日光や関西方面への研修旅行など盛りだくさんの日本文化体験プログラムが組まれています。日本語教育という同じ道を志す各国の先生方がここ北浦和に集まって、日々熱い議論や交流が交わされていると思うと、直接プログラムを担当しているわけではないNCニコも胸が熱くなる思いです。





さて、実際にこのナツタン研修を担当している石井さんにお話を聞きたいと思います。石井さんはさいたま市役所の職員ですが、この4月から国際交流基金に派遣され、NC研修事業課で働いています。









---NCに来て初めて担当される研修がこのナツタンですが、事業準備から研修実施まで、率直な感想を聞かせてください。短期とはいえ52日間、予測しなかったハプニングなどあったのでは?





2ヶ月ほど前から準備して、研修が始まるまでは緊張して仕方がなかったのですが、始まってみると、毎日があっという間に過ぎていきます。もうすぐ研修が終わるなんて、信じられません。(/_<) ナケルネェ


研修参加者の中には、自国と生活環境が変わって気持ちが落ち着かず、どうしても勉強に集中できない、と悩みを打ち明けにくる人もいましたし、体調を崩してしまった人を病院に連れて行くこともありました。各国の日本語教師の方々ばかりですので、日本に来るのが初めて、という参加者はほとんどいないのですが、やはり短期間で集中的に勉強し様々な情報を吸収してもらおう、というこのプログラムはなかなかハードなようです。ですが、担当者である私に何でも相談してくれるという関係づくりがうまくできたことは良かったなと思っています。





---研修に参加している先生方の間の雰囲気はどんな感じなのですか?





f:id:japanfoundation:20060814000239j:image:rightらゆる国の人たちが集まっていますが、国や性別に関わらずお互いに仲良くなって一人もぽつんと座っているような人はいず、良い関係が築けていると思います。こんなにも多くの国の人たちとグループになって集団生活をする機会はなかなかないと思いますし、この研修でできたネットワークを今後に生かしていってもらいたいですね。「オンライン同窓会」というシステムもありますし、参加者の連絡先リストも全員に配布するので、うまく活用して情報交換したり親交を保ったりしていってもらえるよう、私から皆さんにお話ししたいと思います。





---この数ヶ月、国際交流基金NCでお仕事された感想はいかがですか?ちなみにさいたま市からNCへの派遣(旧浦和市も含む)は石井さんで19人目にあたります。




いたま市役所では出納関係の仕事をしていましたし、今まで海外の方とお話したことはあまりありませんでした。私のように経験の浅い者でいいのかしらという戸惑いや不安もありました。ですが、研修が始まると、そのような気持ちは消えていきました。今回のナツタンは私が担当する初めての研修なのですが、研修参加者の先生方は優しくて、例えば時間にルーズな人たちが集合時間になかなか集まらないときには私に代わってみんなを集めてくれたりする等、協力的な雰囲気があり、この研修が始まって初めて、NCに来て良かったと思うことができました(笑)。ナツタンの後は秋以降「中国(中等)日本語教師研修」、そして「在外邦人日本語教師研修」を担当するのですが、次の仕事が今から楽しみです*1





石井さん、ご協力、どうもありがとうございました!






研修終了後、石井さんの担当者奮闘記がNCウェブサイトに掲載される予定ですので、みなさん、どうぞチェックしてみてくださいね。





ところで、研修中に教室で行われる授業以外の 「日本文化事情体験」 も冒頭で書いたように各種取り揃えているのですが、今後はさらに充実させていこうということで、今回の研修では日本のビジネスマンの生の声を聞く機会を設ける、という新たな試みをしました。講師はNCの松尾修吾所長です。松尾所長はソニー、ソニー・ミュージックエンターテインメント、(財)音楽産業・文化振興財団(PROMIC)等で要職を歴任してきました。NCニコはNCに異動になる前は舞台芸術課という部署にいましたので、ソニー・ミュージックさん、PROMICさんともに大変お世話になりました。NCにきて「さあ、日本語事業。舞台芸術とは全く違う新たな畑だわ!」と思っていたのに、意外にも前の部署でのお付き合いが現在のNC所長とつながり、驚いたものです。文化交流の世界は事業分野を越えるのですね。




f:id:japanfoundation:20070111070712j:image:leftそれはさておき所長の特別講義ですが、 『日本の職場のミステリーと日本式意思決定』 という謎めいたタイトルで、取材のため講義を聞きにいったNCニコ自身も興味津々でした*2。日本のビジネス界が外国の方々から見ると「不思議」に見えるのはなぜか、を地理的要因などから説明するもので、面白い内容でした。講義の間に研修参加者の皆さんに日本の都市や世界遺産の所在地を日本の白地図と一致させたりするクイズを出して、自他共に認める「日本通」であろうはずの研修参加者たちが意外に首をひねってクイズに格闘する場面があるなど、終始楽しい雰囲気の講義でした。





海外で日本語を教える先生方は、日系企業で働くことを希望する生徒さんを教える機会も多くあるでしょうし、今回のようなビジネスマンによる講義はまたとない好機だったのではないかと思います。日本文化事情紹介バージョンアップ第2弾は、9月から始まる長期研修(海外日本語教師長期研修プログラム)での「コンテンポラリー邦楽」紹介の予定です。また北浦和からご報告しますね。ヾ(*'-'*)オタノシミニー♪




*1オレペコより:NCで実施されている各種研修事業についてはこちらをご覧ください。


*2オレペコより:講演の内容は、こちらからご覧になれます!なるほど、外国の人から質問を受けたら、こういう風に説明してあげればいいのね!という情報がいっぱいの、おもしろい記事になっていますのでぜひぜひご一読ください。





Wednesday, August 22, 2007

加熱するお笑いブーム、ついにJFをも浸食!?どんだけー!



こんにちは。好きな漫才師は、夢路いとし喜味こいしの三富です。





「英語落語 日本の笑いを世界へ!!」(8月13日)につづき、お笑いに関連するネタをもう一つ。





本日は、日中交流センターのウェブサイトから抱腹絶倒のコンテンツをご紹介します。


私が初めてそのサイトを見た時には、あまりの衝撃に、最後まで注視することができず、途中で画面を消しました。 


ぉお!!(゚ロ゚屮)屮





その名も、Quiz de Manzai





ベタすぎます・・・





気になる中身はといえば、



今では世界にも広がりを見せている日本文化の「漫才」。


「日本」に関するボケ(クイズ)に対してツッコミ(答え)を入れて、高得点を狙いましょう!



という、極めてシンプルな○×式のクイズゲームなのですが、スポーツ、芸能、歴史、地理、生活習慣など幅広いジャンルを網羅した問題の多様さもさることながら、回答の方法が実にユニークです。 


問題が正しい場合は、○の代わりに「そうそう」を、誤っている場合は×の代わりに「なんでやねん」をクリックします。


注目すべきは、「なんでやねん」を選択したときの、キャラクター・カッチャンの動き。


ハリセンまで持ち出して、容赦なくツッコミます。


(*´゚艸゚)∴ブッ





気になってしゃぁないわぁ~。 というあなた!!


こちらのサイトで挑戦できます→心連心GAME CENTER





Friday, August 17, 2007

夏は涼しい図書館に行きませんか…?






こんにちは。JFICライブラリーの受付嬢です。





国際交流基金国内に4ヶ所、海外に18ヶ所ライブラリーがあり、日本文化や日本語に関するコレクションを所蔵し、情報サービスを提供しています。私が受付をしているJFICライブラリーでは、国際文化交流および外国語で書かれた日本関係の資料を収集し情報を提供するとともに、国際交流基金の国内外での活動を紹介しています。最近では日本文化紹介の視聴覚資料も充実してきました。ライブラリーの横にはショップも併設されていて、国際交流基金の刊行物やグッズを販売しておりますので、皆様ぜひお気軽にお立ち寄りください。








さて、さる8月10日(金)に、JFICライブラリーは、講演会「カナダにおける日本関係図書館の概要:国際交流基金トロント日本文化センターライブラリーを中心に」を行い、専門図書館や大学図書館のライブラリアンにご参加いただきました。(会場:JFICコモンズ)











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今回の講演者は国際交流基金トロント日本文化センターライブラリー主任司書リリーフェルト・まり子さん。彼女が勤務しているトロント日本文化センターライブラリーは、日本文化の発信を担う専門図書館として1995年11月に開館され、現在その蔵書数は14,000冊にのぼります。「カナダと日本の文化交流事業を行うことにより相互の理解を深めて、日加関係の維持発展に貢献、寄与する」との同センターの指針に基づき、貸出、閲覧、レファレンスサービス、インターネットや電子データへのアクセスサービスなどを行い、一般カナダ人や学生、専門家が日本に対する理解を深めることができるように日々努めていらっしゃいます。





講演では、カナダの日本関係資料の担当司書がどのような資料を収集し、図書館サービスを行っているかについて、大学図書館、公共図書館、コミュニティーの図書室など11の日本関係図書館を個別に例を挙げて語っていただきました。





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現状としては、カナダにおける日本研究の研究者(研究対象は歴史、文学、経済が主)は大幅に減少傾向にあり、また研究者の高齢化が顕著で、「今カナダにおける日本研究について、どのような専門分野が必要か、研究者の世代交代、新しい日本研究の方向性などについて考える時期に入っている」との研究者による指摘も紹介されました。








加えて、ライブラリーの利用者数に関しても言及があり、どうしたらライブラリーに足を運んでくれるかが各館共通の切迫した課題であるとのことでした。この課題への取り組みの一環として、各館の特色を考慮しながら、朗読会や古文書ワークショップ、仏像彫刻のデモンストレーション、邦楽演奏会、折り紙パフォーマンス、英語字幕付き落語会など各種のイベントを開催もしくは共催したり、またデータベースを駆使することで日本関連の多種多様なレファレンスに対応し情報を提供したりと、付加価値のある機能をライブラリーに積極的に設けることで利用者の裾野を開拓、拡大していこうと奮闘しておられるとのことでした。





実際に現場に持ち込まれたレファレンスとしては、日系人の方による「自分のルーツを調べたい」、息子が日本に留学している父親による「日本の地図を見たい」などごく個人的なものもあるそうです。中でも、カナダ人女性からの「入れ墨にふさわしい言葉および漢字を知りたい」とのレファレンスには会場からドッと笑いがおこりました。





最近では、日本の古典文学や映画、美術に関する蔵書のほかにも、カナダの若者の需要に応えて日本のポップカルチャーを扱った資料も収集対象としているライブラリーもあるそうです。今後、カナダにおける日本研究の対象にどのような変化が現れるか、その動向に注目したいところです。





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講演会の最後には、リリーフェルトさんのご発案により、サプライズのプレゼントが!講演中、何気なく身を預けていた椅子の下にシールが貼ってあった方は、見事当選!!!開館10周年記念イベント時に作成したトロント日本文化センターオリジナルバックがプレゼントされたのでした♪





Tuesday, August 14, 2007

やっぱり、文化交流は双方向だよね!~Casa Asiaのガエルさんを迎えて~






f:id:japanfoundation:20000218090806j:image:left みなさん、以前このブログで松岡さんが、スペインのCasa Asia という文化交流団体での研修について報告していたのを覚えていますか*1?ジャパンファウンデーションは、Casa Asiaとのあいだでさまざまな形での連携を進めていますが、その一環として、おたがいに職員を一定期間受け入れる人事交流を行っているんです。




今回は、7月から1ヶ月間ジャパンファウンデーションにいらしていた、ガエルさん(Ms. Gaelle Patin Laloy)に突撃インタビューを敢行しましたので、その様子をお届けしましょう!ちなみに、インタビュアーは松岡さんとさとじーさんにお願いしました。ではでは、どーぞ*2





■ Casa Asiaって何をやっている団体なの?



Q:ガエルさん、まずはCasa Asiaの活動について簡単に教えてください。 

:Casa Asiaは、スペイン外務省、カタルーニャ州政府、それからバルセロナ市の3者によって設立された、公的な文化交流機関です。バルセロナに本部がありますが*3、最近、マドリッドにも事務所ができました。ほかにもバスク地方などから事務所を作ってほしいという要望もありますが、今のところ、地方については地元の団体と協力しながら事業を実施しています。


主な活動目的は、アジア・太平洋諸国の文化をスペインのひとびとに紹介することです。文化芸術の紹介や語学教室、会議やセミナー等を通じて、アジアのいろんな側面を知ってもらうように努めています。また、アジア関係の講座を持つ大学の修士プログラムを支援したり、そういった講座の新規開設を推進したりもしているんですよ!





Q:素朴な疑問なんですけど、「アジア」っていろんな定義がありますよね?Casa Asiaで「アジア」というとき、どのような国々を含むんですか?


:西はイランから始まり、パキスタンやインド、アフガニスタンなどの南アジア、旧ソ連の中央アジア、それから東南アジアと北東アジアの国々ですね。イラクとトルコは含んでいません。






■ 人事交流プログラムに参加して



Q:今回、ガエルさんがこのプログラムに参加しようと思ったきっかけはなんですか?

:以前中国語を勉強していたのですが、実はもともとは日本語クラスの受講を希望していたんです。申し込みも済ませていたのですが、認められなくて中国語に。なので、昔から日本には興味がありましたし、実際中国やシンガポールなど、他のアジアの国々に行った経験から、ますます関心を持つようになっていました*4。そんな中、一ヶ月という長い期間、日本に滞在できるなんて滅多にないチャンスだと思って参加を決めました。





Q:日本で働いてみた感想を教えてください。

:今回の私のミッションのひとつは、11月にスペインで開催予定のEast-West Dialogueに、日本のハイレベル・スピーカーの参加を取り付けることでした*5。みなさんのご協力もあり、非常に素晴らしい研究者の参加をとりつけることができ、満足しています。


今の時代、各分野にどのような候補者がいるかとか、その人の研究業績とか、大体の情報はインターネットで調べられるようになってはいますが、やっぱり、実際に会って話をするのとは違います。その意味でも、ジャパンファウンデーションのように、人的ネットワークや知恵を共有できる仲間ができたことは良かったです。また、今回の訪日で、日本の文化・学術交流を担っているいくつかの組織を訪問して新たなネットワークを作れたので、これから活かしていきたいですね。






■ 日本の印象



Q:月並みな質問になってしまいますが、日本に来て驚いたこととか、特に印象に残ったことってありますか?


:ある意味ではヨーロッパ以上に発展している面と、豊かな伝統とがうまく共存していることがすばらしいなあと思いました。それから、たとえば鍵をかけないで自転車を道端に駐車しておいても、盗られたりしないとか・・・とにかく安全なことが印象的でしたね。夜も一人で歩けますし。そういった面は、ぜひ、ずっと変わらないでいてほしいと強く思います。





f:id:japanfoundation:20070725191750j:image:rightQ:伝統文化といえば、ガエルさん、日本に来てすぐに、ジャパンファウンデーションの職員 が企画した「屋形船で飲もう!」企画にも参加してくださいましたね!


それにしても、町並みとかはバルセロナとかのほうがずっときれいでいいですよね。古い景観とかがしっかりと保存されているし。日本は雑然としてしまっています。


:「きれい」で思い出しましたけど、日本は街にゴミ箱が少ないのに驚きました。歩いていて、何気なく紙をもらってしまったりすると、そのまま2時間くらいは持って歩くことになってしまいます(笑)。だけど、もっと驚いたのは、そんなにもゴミ箱が少ないにも拘わらず、日本の街はヨーロッパの一般的な町よりずっとごみが少なく、クリーンなことです!


⇒あはは、確かに。


ちなみに、95年の地下鉄サリン事件の影響で、街からゴミ箱が消えていった気がします・・・。  



■ ジャパンファウンデーションとCasa Asiaってどんな違いがあるの?



Q:さあ、いよいよ今日のメインテーマなんですが(笑)。


ジャパンファウンデーションは、「国際相互理解」をひとつの目的にかかげていることからもわかるように、日本文化や日本語の海外での普及だけでなく、海外の文化を日本で紹介することにも力を入れています。一方、スペインでは、政府がCasa Asiaを通じて、他の国々の文化を、ある意味ではその国に代わって自分の国で紹介する「Import(=輸入)」に力を入れているわけですよね?これは結構珍しいことだと思うんですが、政府がアジア文化紹介に力を入れている理由は何だと思いますか?


:これまでスペインは、歴史的経緯もあって、ラテンアメリカとの関係が非常に強かったんです。でも最近、中国・インドの台頭もあって、アジアとのかかわりが増えてきました。もっと言えば、スペインに限らず、今や、アジアとかかわりを持たないで生きていける国はないと思います。


とはいえ、一般的なスペイン人にとって、まだまだアジアは遠い国々。なので、まずは相手のことを知らなければならない、ということだと思います。また、特にバルセロナにはわりと大きなアジア系コミュニティがあるので、スペイン人にとっても「アジア」が身近なものになってきていて、「もっと知りたい」という要望も多いのです。


一方、スペイン語やスペイン文化を海外で紹介する機関としては 「セルバンテス文化センター」 があります。





Q:スペイン文化の「Export(=輸出)」の役割を果たしているセルバンテス文化センターは、91年に設立された一方、Casa Asiaの設立は2001年。ということは、今は「Import」に力を入れるべきだ、という政策的な意図があってのこととは考えられませんか?


:政策の変更というよりは、認識の問題ではないでしょうか。Casa Asiaのほかにも、Casa AfricaとかCasa Arabとか、他の国・地域の文化をスペイン国内で紹介する類似の機関は既にいくつもありますが、これらの根本にある思想は、国際文化交流はMutual(相互/互恵的)であることが重要だ、ということだと思います。二国間関係強化のためには、 相互理解 が欠かせないのです。


⇒なるほど!ひとつの組織でやっているか、別々の組織でやっているかは別として、目指すところは「相互理解」、これですね!






■ もっとスペインを知ろう!



Q:ところで今、「セルバンテス文化センター」の話が出てきましたが、東京にもこの秋、待望のセルバンテス文化センターができますね!


:ええ。昨年からアジアに次々にオープンしていて、北京、デリーに続き東京が3つ目です。しかも東京のセンターは、単にスペイン語を学ぶだけではなく、映画上映、フラメンコのレクチャーなどスペイン文化に触れることのできる講座を備えた、世界中のセルバンテス文化センターの中でも最大規模のものになる予定なんです!





Q:実際、建物を見に行きましたけど、ものすごく立派ですよねー。僕も通おうと思ってます(笑)。そういえば、バルセロナのCasa Asiaのオフィスも歴史の重みを感じる、美しい建物ですよね。バルセロナを訪れたら、ぜひ一度足を運んでほしいな。


:旅行者だけでなく、スペインで日本文化を紹介したいが場所がない、という方々も、Casa Asiaにご相談していただければ、私たちの美しい建物の一角をお貸しすることができるかもしれません。もちろん、内容にもよりますが、訪問・ご相談は大歓迎です!ぜひCasa Asiaに足を運んでください






ガエルさん、どうもありがとうございました!  




  • *- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*-





◆インタビューを終えて◆


今回のガエルさんとのインタビューをしていて、ちょうど最近読んだ、1冊の本を思い出しました。


[rakuten:book:12079772:detail]





職場の上司が書いた本です(本件については、このブログでも後日語られると思います)。


個人的な感想としては、国際文化交流という、なんとなく分かるようでつかみどころのないような概念を、自分達にとってより身近な社会問題にグッとひきつけて語っていて、「ああ、そういう説明のしかたがあったか」と勉強になる、刺激的な本でした。


そのあとがきの一部を、ちょっと長いですが引用します。



・・・・


今日、世界が直面している暴力、テロなどの根本の部分に存在するのが、「富の不平等」と「誇りの不平等」である。


・・・・


傷ついた人々の誇りをいかに回復させるか。人が人らしく生きていくためには「誇り」が必要だ。相手に対する尊敬の念を欠いた一方的な経済援助や、「俺のやり方を学べ」式の押し付け的な民主化は、中東や南アジアの「誇り」を傷つけ、「過剰アサビーヤ」を生み出す。


・・・・


日本が「九・一一」以降、中東向け国際文化交流事業で大切にしてきたのは「相互理解」という考え方だ。


・・・・


一方的に自国の価値や文化を中東の人々に語るのではなく、中東をもっとよく知ろうと、中東の現代舞台芸術、造形芸術や映画を日本社会に紹介してきた。


・・・・


相手を変えようと思ったら自らが変わる勇気をもつこと。相手に愛してもらおうと思ったら、自らが相手を愛する度量を持つこと。戦後日本はアジアとの交流を通じて、こうした教訓を学んできた。「私達は貴方たちを尊敬している。貴方たちのことをもっとしりたい」。これこそが、日本が中東に向けて発しうるメッセージの出発点と、私は信じたい。



国際交流基金という政府機関の役割として相互交流性の重要さを語ることと、スペインの政府機関スタッフであるガエルさんが、インタビューにおいて「国際文化交流はMutual(相互/互恵的)であることが重要だ」とおっしゃったこととが、僕の予期しない中で一致しました。


ここに今の時代の流れ、というか時代が求めているもの、のようなものがあるのかもしれません。


(松)




*1:3回にわたって、Casa Asia の活動紹介を書いてくれています(Vol.1. Vol.2, Vol.3)。


*2:ちなみにこのCasa Asiaのロゴ、某テレビ局(T放送)のロゴに似ていると思うのはオレペコだけでしょうか???笑


*3:HPはこちら。スペイン語だけでなく英語でも見られます!


*4:ガエルさんは、なんと、母語のフランス語のほか、スペイン語、英語、イタリア語、中国語が話せるそうです!す、すごい!!


*5:ガエルさんのCasa Asiaでのご担当は、セミナーや会議の企画運営部門。中でも大きな事業が、毎年開催している国際会議、East-West Dialogueなんだそうです。昨年の会議テーマなどは、こちらでご覧になれます。





Monday, August 13, 2007

「英語落語 日本の笑いを世界へ!!」



ブログ初登場、関西国際センターの「ぶーちゃん」です。





関西といえば、皆さんまず何を思い浮かべるでしょう?たこ焼き、お好み焼き、関西弁etc. 色々あるとは思いますが、その中でも外せないのはやはり、吉本興業に代表される「笑いの文化」でしょう。笑いの文化の中心、ここ関西は、落語においても上方落語としての根強い伝統を誇っていますが、昨年2006年に寄席専門の劇場「天満天神繁昌亭」がオープンしたことで、落語・寄席ブームはさらに高まりつつあります。





ところで、「落語」と「寄席」って何がどう違うの?こう思った方も多いかもしれません。一言でいうなら、落語は座布団の上での話芸、対する寄席は演芸入りということ。落語そのものももちろん面白いのですが、それ以上に、お囃子、南京玉すだれ等の小道具、果てには獅子舞や和傘なんかまで出てきたりする寄席になると、聞いても楽しく見ても楽しい、ともかくもうお楽しみてんこ盛り(^0^)♪ 今日のブログの主役、桂かい枝(かつらかいし)さんは、そんな関西の落語・寄席ワールドでも最近特に人気のある噺家のお一人です。




この桂かい枝さん、実はちょっとユニークな活動をされている方なのですが、それは何かというと★英語落語★。文字通り、日本の笑いの伝統文化である落語を英語で行って、世界中の人に笑ってもらっちゃおうじゃないの!というチャレンジ精神で始まったこの活動、今では世界11カ国28都市で200回を越える落語公演を成功させるまでになっています。*1





さて、かい枝さんの英語落語グループは、今年も9月から米国ニューヨークで寄席公演を行うそうです。これまで幾度となく海外で落語を公演されてきたかい枝さんですが、海外での本格的な「寄席公演」は実は初めてなんですよ~。当然ながら落語演芸とも、通訳を介さず全て演者が自分の言葉で、しかも英語で行うんです。そうそう、かのブロードウェイで日本の寄席が英語で行われるのも、ブロードウェイの歴史が始まって初めてのこととか(☆o☆)





そしてこの8月6日、かい枝さんをはじめとする全部で6名のグループが、海外公演に先立ちなんとナント!関西国際センターで日本語を学んでいる外国人研修生の前で、海外公演と同じ内容で英語寄席を披露して下さったのです。プログラムも、


 1 獅子舞(豊来家玉之助)


 2 落語の解説(桂かい枝、北川千穂)


 3 落語(桂あさ吉)


 4 三味線漫談「おんな道楽」(内海英華)


 5 マジカル落語(笑福亭智之介)


 6 大神楽(豊来家玉之助)


 7 落語(桂かい枝)


とまあこのように「てんこ盛り」状態(カッコ内は演者です)。こんな沢山ご馳走になっちゃって胃にもたれちゃうんじゃないかと思いきや、満席になる位に観に詰めかけてくれた各国の外国人研修生は胃もたれどころか、腹を抱えて笑っている有様・・・(^0^)(^0^)(^0^)





獅子のお頭をかぶった人が舞い踊る「獅子舞」。獅子に頭を噛まれると寿命が延びる、と聞いた外国人研修生は面白がって頭を差し出していました。↓↓


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さあ、一緒に落語の動きをやってみましょう!おうどんはこうやって持ってズズズ~~~っと(「落語の解説」より)↓↓


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三味線漫談。三味線の音というのは、外国人研修生にとっても、「日本」を感じさせるものなんでしょうね~。↓↓


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落語と手品を混ぜた「マジカル落語」↓↓


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「笑い」は世界の共通語↓↓


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大神楽。和傘をクルクル回してその上で枡やリング等をクルクル回すのが最もポピュラーですが、ダルマを使ったこんな芸も披露して下さいました。外国人研修生、拍手喝采。 ↓↓


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かい枝さん、熱演!↓↓


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公演終了後の外国人研修生とのミニパーティー。いい感じでしたよ~↓↓ 


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公演終了後、観に来てくれた外国人研修生に簡単なアンケートを行ったところ、「very good!」「とてもおもしろくて、楽しめました」「日本の伝統的な舞台芸術への目を開くきっかけを与えてくれました」etc. アンケートの結果にも笑顔があふれ返っているようでした( ^3^)/~★*2





「笑いの効用」というキーワードでネット検索すると実に1,500件以上がヒットしますし、世界には「笑うヨガ」というものすらあるとか。とまあこれほどまでに「笑い」というのは健康にも良く、気持ちを幸せにするものなんですねぇ。落語のラの時も知らなかった(であろう)外国人が、日本の笑いの伝統文化に触れ一緒に笑ってくれたその時、ぶーちゃんが感じたこと・・・


笑いは世界を丸くする(^-^)





さて、笑いのパワーでインターナショナルに幸せを振りまいてくれたかい枝さん、この9月の米国公演を終えた後、年明け以降も文化庁の「文化交流使」として米国に滞在し、我が日本のRAKUGOを広めるための活動をさらに積極的に行ってゆくおつもりだとか。そんなかい枝さんの活躍ぶり、ますます目が離せません!o(^-^)o




*1:桂かい枝さん率いる英語落語グループの公式HP「笑いは世界の共通語」では、英語落語公演についての詳しい情報を見ることができます。


*2:桂かい枝さん、関西国際センター設立十周年記念事業として行われた「第48回 外国人による日本語弁論大会」でも、観客の皆さんを相手に落語を披露して下さっています。その時の模様は、かい枝さんのブログ(※5月27日分)、そして、この「地球を、開けよう。」ブログ(※6月14日分)で見ることが出来ます。





Wednesday, August 8, 2007

心と心をつないで



こんにちは。三富です。





今年4月に中国・四川省成都に「ふれあいの場(中日交流之窗)」がオープンしていたことは、皆さんご存知でしょうか。





えっ?知らない!? Σ(Д`|||ノ)ノ


そんな皆さんのために、今日はサラッとふれあいの場についてご紹介します。






「ふれあいの場」は、中国の人々がインターネットや音楽ソフト・雑誌・漫画・書籍により、J-POPやファッションなどの流行情報、若者文化に触れる窓口となります。



と、最新の雑誌や漫画が閲覧でき、またJ-POPの視聴もできるとあって、オープン当初より話題沸騰の「ふれあいの場」!





なんとなんと、オープニングのプレイベントには、「地上で、最も優しい歌声」の歌手・中孝介が登場した「ふれあいの場」!!






昨日四川省の成都に無事上陸し、今日は成都「ふれあいの場」の開設プレイベントに出演しました。そして今中国成都から書き込んでます。


いやぁ~四川省にもいましたよ。僕を知ってる人たちが!ホント、マジで驚きと嬉しさと感激でいっぱいのライブでした!今日ライブに会いに来てくれた皆さんありがとう~!しかも僕のスタッフが今朝ホテルで何気なくテレビの音楽番組を見てたら、なんと「思い出のすぐそばで」のPVが流れたそうな!その話を聞いて、少しずつ僕の音楽が中国の人たちにも広がっていってくれてるんだなぁって思って、不思議な気持ちになりました。本当に嬉しいね!


中孝介BLOG 島ぬ宝






内装は、Noiz Architectsの豊田啓介さんと蔡佳萱さんがご担当され、ヒューチャリスティックで、とってもお洒落なデザインの「ふれあいの場」!!!





真っ白な壁には、SMAPなどのJ-POPを代表する歌手の映像が映し出されたり、フィギュアがディスプレイされたり、アニメのポスターが貼られていたりと、まさに日本の流行情報・若者文化に触れる窓口となっている「ふれあいの場」!!!!





そんな「ふれあいの場」のオープニングまでの様子や、最近の夏祭りイベントの動画が、心連心TVで絶賛放映中です。





もしかしたら、近々担当者からオープンまでの裏話が聞けるかも・・・乞うご期待!!!





Tuesday, August 7, 2007

ニコラ、ミシェル or 巨大サングラス(注:井上陽水でもありません!)?






13日(金)夜は消防署主催のダンス・パーティーで踊りあかし、14日(土)午前は、ニコラ・サルコジ大統領が登場した軍事パレードで人混みに揉まれ・・・(ブログのために!?)革命記念日の様子について体を張った取材を敢行してくださった、パリ日本文化会館の牧瀬さん。





昨日の「ニコラ、ミシェル or 巨大サングラス(注:タモリではありません!)?」に引き続き、フランス革命記念日の様子パート2をお送りします!


ミシェル巨大サングラスの謎が本編後半部分でいよいよ明らかに・・・


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◆ 革命記念日無料コンサート


そして夕方からはエッフェル塔のある広大な公園シャンドマルスで、サルコジ大統領主催の無料野外コンサートがありました。ネットで情報を入手、無料と聞いて、いてもたってもいれず、そのままシャンドマルス公園に直行する自分。到着したのはコンサート開始1時間前の18時。頭上には久しぶりの夏空が広がっています。日がまだ高いので太陽光線がじりじり照り付けています。


友人と一緒だったのですが、最初からスタンディングで乗り切ろうという心構えだったので、芝生の上に座ってピクニックモードになっている一般市民を横目に、エコールミリテール側の特設ステージまでじりじりとにじり寄っていきました。ステージまで100メートルのところまでは何とか到着。しかし、それより前方には人だかりができていて、まったく進めない。仕方なく、ハイネケンやボルビックで水分補給しながら、コンサートの開演を待ちます。




19時ぴったりにコンサート開幕! おお、トップバッターはフランス三大DJの一人(と自分で勝手に思っている)ボブ・サンクラール*1ではないか! ちなみに後の二人はダビッド・ゲッタとローラン・ガルニエ。始まるなり、重いビートと耳をつんざくようなサウンドエフェクトで会場は巨大野外ディスコに変身。昨年の大ヒット曲、「ラブ・ジェネレーション」から次々とナンバーを流します。

その次はイタリアのローラ・ポージニ*2。唄はうまかったが、なんかイタリアのセリーヌ・ディオンみたいな感じでした。




そして、このコンサートの前半のハイライト、ドイツの10代のロックグループ、トキオ・ホテル(Tokio Hotel)*3の登場です。f:id:japanfoundation:20070714194917j:image:leftこのロックバンドが登場するなり、会場前方に陣取っていた若い女の子たち(やっぱり10代)がヒートアップ! かなりヒステリックになって声を上げています。そうか、こいつらこのバンド目当てだったんだな。舞台上を所狭しと駆け回っては歌うトキオ・ホテル。f:id:japanfoundation:20070714194928j:image:right


特にボーカルのビル・カウリッツがほぼビジュアル系(写真に出てます)、MCで何かトークするたびに(ちなみにすべてドイツ語)、女子の声援が乱れ飛んでいました。ただ、10代とかビジュアル系とかそういうのを抜きにして、演奏自体はかなり完成度高し。日本でも人気なんでしょうか?





トキオ・ホテルのパートが終わった時点で、ステージ最前方にいた思春期の娘たちが、「もう後は興味なし」と言わんばかりに退場し始めたので、姑息に僕は前進。やった、ステージ10メートルのところまで進んだぜ。




トキオのあとはポルトガル系カナダ人シンガー、ネリー・ファータド(Nelly Furtado)*4。全世界でファーストアルバム600万枚売ってます。僕は知らなかったですが。そしてその後、20分の舞台転換。待たされて、待たされてようやく、21時を過ぎた頃、ようやく真打登場。この無料コンサートは彼のために開催されたとも言って過言ではない、ミッシェル・ポルナレフの登場! 聞くところによると、ポルナレフはサルコジ大統領と非常に仲良しで、その関係でこのコンサートも引き受けたとか。


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必要以上に巨大なトレードマークのサングラスをかけて、背中にフランスの三色旗をまとってポルナレフが出てきたときには僕は腰が抜けるかと思いました。三色旗かい! 舞台上部にはサングラス型のモニターがあしらわれています。そこまでミッシェルのためにセット作ったのかよ。そしていきなり、怒涛の70年代ヒットメドレー。Tout tou pour ma chérie(これは俗に「シェリーに口づけ」*5というタイトルがついてますが、シェリーって別に人の名前じゃないよ) love me please love me , dans la rue, goode bye marylou(これは《悲しきマリー》ってやつですか?)などと往年のヒットナンバーを披露。f:id:japanfoundation:20070714213845j:image:left僕の周りでは、ある者は一緒に大声で歌い、ある者は体をスイングさせて、ほぼトランス状態で踊ったり、またある者は必死にミッシェルに手を振ったり、とある種いろいろなスペクタクルが繰り広げられていました。それぞれが、思いのままミッシェルとのひとときを満喫しています。ああ、ポルナレフというのは国家的財産なんだなあ、ヒット曲はフランスの集合記憶なんだなあ、などと実感。


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ピンクの光の中で歌いまくるミッシェル。ステージを所狭しと駆けずり回って、踊り狂うミッシェル。かなり腹が出ているにも関わらず、70年代の振り付けそのままでマイクを観客に向けるミッシェル。スターってすごいです。しかも、至近距離。

ラストはOn ira tous au paradis(天国への道)*6巨大サングラスセットの中に歌詞が出てきて、みんなで大合唱。f:id:japanfoundation:20070714223124j:image:left


後の報道によるとシャンドマルス公園にはこのコンサートために60万人集まったそうですが、60万の合唱でした。僕もそのうちの一人か。





22時半過ぎコンサート終了。ミッシェルがステージ裏に引っ込み、興奮もさめやらぬうちに、恒例の花火大会が始まりました。今までエコールミリテール側を見ていた人がすべて反対側、トロカデロ方面を振り向きます。革命記念日の本当の主役、エッフェル塔越しに次々に花火が打ちあがります。それぞれの市民の思いを胸に。EU統合、軍人パレード、サルコジ大統領初の革命記念日、ミッシェルの巨大サングラス。花火は23時過ぎまで続きました。花火が終わっても人の波はひかず、公園も、舗道も、車道も、橋も、カフェも、レストランも革命記念日を祝う人々で溢れています。


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翌朝、メトロの駅で朦朧とした状態で地下鉄を待っていたら、目の前で僕と同じ電車待ちをしているおばさんがon ira tous au paradisを鼻歌まじりに歌っていました。彼女も昨日、シャンドマルス公園にいたんでしょうか? 


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*1


In the House:Bob Sinclar

In the House:Bob Sinclar







*2



*3


Scream (Dig)

Scream (Dig)







*4


Loose (Bonus CD)

Loose (Bonus CD)







*5


 映画『ウォーターボーイズのサントラとしても有名です。


*6


ポルナレフ・ベスト

ポルナレフ・ベスト










Monday, August 6, 2007

ニコラ、ミシェル or 巨大サングラス(注:タモリではありません!)?



皆さん、こんにちは。三富です。





イチロー、松井 or KOBY(注:コービー・ブライアントではありません!笑)?(7月12日)につづき、世界の独立/建国記念日シリーズ第2弾は、フランスから。


パリ日本文化会館の牧瀬さんに現地様子を今日と明日の2回にわたってレポートしていただきます。


――――――――――――――――――――


パリ日本文化会館の牧瀬です。フランス革命記念日の街の様子を今回レポートします。7月14日といえば、言わずと知れたバスチーユ監獄襲撃の日、フランスでは最も重要な国民の祝日の一つとして今日に至っています。当地では革命記念日なんて堅苦しい言い方はせず、日付そのまま、キャトルズ・ジュイエと呼んでいます。





◆ 前夜祭


さて、記念日自体は14日ですが、お祭りはもう前日の夜から始まっています。革命記念日花火大会はパリ以外の都市では通常13日の晩に行われます。しかし、なんと言っても特筆すべきはBal populaire(バル・ポピュレール)と言われる消防署主催のダンスパーティー。


13日の夜11時半ごろ、15区のレストランで食事を済ませそのまま通りに出ると、いつもは人気ない舗道に人がワサワサ溢れています。ただならぬ雰囲気。しかも、大勢の人々がみんな同じ方向に向かっています。僕もその人波に身を任せ、その方向に向かうと、あった、あった、その先には15区の消防署が。


いつもは頑丈な扉で閉まっている入り口は開放され、そこへ次から次へと人の波が押し寄せています。扉の上にはでっかく「ENTREE(入り口)」の文字が。「入り口」と書かれているからには入らねば、などと思い、ゲートをくぐる自分。ゲートの奥には、人々がひしめきあって踊っている、巨大野外ディスコと化した消防署の中庭がありました。f:id:japanfoundation:20070713234948j:image:left 乳母車を押した若い母親から、仕事帰りのサラリーマン、定年後の老夫婦などありとあらゆる層の群衆がひしめきあっては、DJブースから流れる大音響の音楽に合わせて踊っています。どっかで聞いたことのある歌だと思うと、シンディ・ローパーのガールズ・ジャスト・ワナ・ハブ・ア・ファンのリミックスバージョンでした!80年代かよ!


フランス全国の消防署で行われるこのバル。深夜から明け方まで近隣住民が踊りあかします。音楽も消防署によってさまざま、僕が行ったのはロックや80年代ディスコが中心でしたが、バスチーユのほうはアフリカ音楽が中心だったとか。バンドネオンなどを使った伝統的なバル、もあるようです。盛り上がってしまい、僕は深夜過ぎに帰宅してしまいました、またやらかしたよ。





◆ 軍事パレード


翌朝は革命記念日名物のシャンゼリゼの軍事パレードを見物にシャンゼリゼまで。午前11時ごろ行くと沿道は人、人、人。パレードなんて何も見えません、群衆を見に来たのか、自分は。写真も人しか写ってない・・・。


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サルコジが大統領に選出されて初めての革命記念日、ということで力入っています。パレードのラインナップは以下のとおり。241人の共和国騎馬兵にエスコートされてサルコジ大統領、エトワール広場からコンコルド広場に到着。そこで首相、防衛相、EU委員会議長に迎えられます。フランス軍楽隊によって奏でられる国歌、軍歌の演奏。フランス軍アルファジェットとEU27カ国の旗手によってパレードが開幕。欧州27カ国の代表が各国の行進を指揮。4224名の軍人と警察、騎馬兵、83台のバイク、329台の装甲車、トラック。空海軍の62機航空機。37台のヘリコプター。文字通り、このパレードは軍事色の強い、生々しいものです。その日のテレビニュースで沿道に集まった人々のインタビューが放映されていましたが、「フランスは素晴らしい軍隊を持っている」などと満足げに話す一般市民多し。国威掲揚のために一役も二役も買うイベントなのです。個人的にはすごい抵抗ありますが。


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Friday, August 3, 2007

◆いよいよ明日開催! 公開セミナー「アチェ 津波と紛争からの復興」◆



今年4月、芸術による元紛争地の復興支援事業「アチェの子どもたちと創る


演劇ワークショップ」を、日本とアチェの芸術家やNGOと実施しました。


そこでの経験を日本の皆様と共有するために、アチェの芸術家やNGO関係者を


招き、公開セミナーを開催します。





アチェの話芸家アグス・ヌール・アマル氏のパフォーマンスにも注目です!!





入場無料ですので、是非ご参加ください。


日時:8月4日(土) 14:00~17:00


会場:ジャパンファウンデーション 国際会議場


http://www.jpf.go.jp/j/intel_j/news/0707/07-05.html





当事業のきっかけから実現までについて、担当職員が紹介しています。


http://www.jfsc.jp/webmember/topics_cont/fr-0708-0004





アチェのワークショップについては、こちらの記事もぜひご覧下さい。





Thursday, August 2, 2007

国際交流基金の日本語教育専門家になりたい人!この指とまれ!!



潮風です。今日は短く、でもとっても魅力的なお知らせです。ヾ(=^▽^=)ノ




これまで、このブログでもいろいろな基金の日本語教育事業を紹介してきていますが*1、意外にもあまりちゃんとお話したことがないのが、基金の日本語教育専門家の派遣事業。基金では、海外における日本語教育への取り組みとして、世界各地の中核的な日本語教育機関に日本語教育の人材を派遣しています。その数、なんと2006年度で117ポスト


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この派遣している人材は、その経験、年齢、資格などによって「日本語教育専門家」「ジュニア専門家」「マラヤ大学予備教育課程(AAJ)派遣日本語教育専門家」「日本語教育指導助手」という区分に分けられています。日本語教育専門家、ジュニア専門家は各国の日本語教育の現地化、自立化を促進することを目的に、教室での日本語教授、カリキュラム・教材作成に対する助言、現地教師の育成、教師間ネットワーク構築支援等を行っています。マラヤ大学予備教育課程(AAJ)派遣日本語教育専門家は、マレーシア政府がマラヤ大学に設置したマラヤ大学予備教育課程にて、高校修了生を対象に、日本の大学進学に必要な日本語能力を2年間で集中的に養成することを目的に、日本語授業担当、教材作成、カリキュラム作成、現地教師の育成を行っています。*2また、指導助手はこの日本語教育専門家の指導・支援を受けながら、海外の日本語教育機関で日本語を教えています。いわば、世界の日本語教育の最前線で活躍する人々なのです☆*3





そこで!今年、平成20(2008)年度に海外に派遣するこの日本語教育専門家、ジュニア専門家、AAJ日本語教育専門家、そして日本語教育指導助手を国際交流基金では公募します。そして中でも、専門家/ジュニア専門家を目指している方に対しては、専門家/ジュニア専門家の具体的な仕事の内容や求められる能力について担当課から直接説明するとともに、それぞれの仕事の魅力について経験者の話がきける説明会を開催いたします。


が、これがなんと東京は明日3日(金) 、関西は6日(月)!! お知らせ遅くてゴメンナサイ(>人<) 


参加には事前連絡が必要ですので、今日これを見て、ビビっときた方、すぐに連絡をっ。ヾ(゚▽゚ o)≡≡=イソゲー!!



<東京会場>


日時 平成19(2007)年8月3日 金曜日 15時から(約2時間の予定です)


場所 ジャパンファウンデーション 国際会議場 アーク森ビル20F





<関西会場>日時 平成19(2007)年8月6日 月曜日 13時30分から(約2時間の予定です)


場所 ジャパンファウンデーション 関西国際センター





<内容> ※会場によって発表者は異なります


1. 国際交流基金の日本語教育専門家派遣事業について~専門家/ジュニア専門家に求められるもの~


2. 日本語教育専門家/ジュニア専門家の業務の実際


3. 質疑応答





<連絡先>


日本語事業部 派遣・助成課


Tel:03-5562-3524 Fax:03-5562-3498 


Email:haken_joseika@jpf.go.jp





詳細はコチラ⇒http://www.jpf.go.jp/j/japan_j/news/0707/07-01.html






ってその前に、順番が逆ですが、それぞれの専門家の詳しい応募方法・条件などについては、下の要綱をよくチェックしてきてくださいね。ご応募、お待ちしていまーす☆



平成20(2008)年度海外派遣


日本語教育専門家・ジュニア専門家・マラヤ大学予備教育課程(AAJ)派遣日本語教育専門家 公募のお知らせ 


日本語教育指導助手公募のお知らせ



 




*1:ケアナビ、弁論大会、日本語能力試験・・・などなど。一覧はコチラ


*2以前このブログでインタビュー記事を紹介した、マレーシアのクアラルンプール事務所職員のハフィズさんもこのAAJを修了した生徒なんですよ!こうやって、将来マレーシアと日本の架け橋となる人材を育ててるんですねー。


*3:この日本語教育専門家やジュニア専門家の派遣先での活動や、その国の日本語教育事業については、帰国した専門家による報告会や「世界の日本語教育の現場から」というサイトを通じて紹介しています。また指導助手の活動報告(2005年度版)もあるので、ぜひご覧ください!





Wednesday, August 1, 2007

[みなさんへの]「をちこち」インド特集号発売!



人事異動後、初登場となります、西納です。入社以来慣れ親しんだ日米センターを離れて、情報センターに異動し、『をちこち』の編集担当となりました。





さて、本日は、映画の日、肺(8/1)の日、『をちこち』第18号発売の日です!今回の特集テーマは、「インドを解く-Demystifying India」。2007年が、日印交流年であることを記念して取り組みました。大国インドを、専門家や現地在住の執筆者の皆さまの手をお借りして、宗教・ビジネス・歴史等々の切り口で「解く」特集となっています。目次のライナップはこちらをご覧ください。




非凡な交渉力を有するインド人とのビジネスのやり方を紹介する記事から、インドの魅力はインドの人にあるとしてその特長を分析する記事、世界で最も貧困人口の多い国*1であるインドの影の部分を探訪する記事まで、硬軟そろった読み応えのある号となっています。ぜひ読んでみてください。*2





さてさて、今日のブログでは、少し趣旨を変えて『をちこち』の表紙についてご紹介したいと思います。





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今回の表紙は、きりりとこちらを見据える女性を中心に様々な素材が配置されたインパクトのある作品を使用させていただきました。*3アトゥル・ドディヤ(Atul Dodiya)氏によるこの作品について、芸術評論家ランジット・ホスコテ(Ranjit Hoskote)氏より、コメントをいただきましたので、この場を借りてご紹介します。*4


















アトゥル・ドディヤ氏は、1959年ボンベイに生まれたインドを代表する現代美術のアーティスト。彼はこれまでに、既成の美の概念に囚われることなく、絵画、アッサンブラージュ、写真、造形の分野で優れた作品を残している。ドディヤ氏によれば、自身の作品の特長は、観る者の経験が、暗示的で抽象的な、かつ好奇心をかき立てられるような視覚的フィクションとして再構築される場所を生み出すことにあるという。





彼は当初、写真を通して冷徹なまでのリアリズムを追求したが、その後、多彩な要素を取り入れて抽象的な表現方法を求めるようになった。ドディヤ氏は、漫画雑誌の切り抜き、宗教を題材にした有名な石版画、映画のポスター、そして彼が惹かれたインド、ヨーロッパ、アメリカの伝統的な美術作品を表現手段として使っている。彼は「ファインアート」と大衆文化の両方から画像・技術・素材を取り入れることで、両者を区別するこれまでの枠組みの概念の破壊を試みている。





ドディヤ氏は、ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)の絵画、ベノード・ブハリ・ムケルジー(Benode Behari Mukherjee)の絵画、ルネ・マグリット(René Magritte)の謎めいた幻想的な作品、原始的な表現方法を用いたコンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brancusi)の作品、葛飾北斎がもつ詩情豊かで優美な作品、クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski)の直感を用いた技巧的作品、ヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)のアッサンブラージュに見られる哀愁を帯びた表現方法に影響を受けているほか、日本の仏教美術から恐ろしい形相をした不動明王像も取り入れている。





しかし彼の仕事は、こうした作品をただ羅列することではない。彼はこうした豊富な素材を取り入れることで、真に現代的で、既存の文化概念の枠組みを超えた彼独自の表現方法を確立している。


(原文は英語)









インド特集の表紙を彩る作品”Karuna”は、結婚と男女の関係について描かれたシリーズ”Saptapadi: Scenes from Marriage (Regardless) ”の一部です。アートや写真が重ねられて一つの作品となる過程で、その作品に込められた意味も重ねられていくそうです。ドディヤさんの作品を自分なりに解いていくのもおもしろいですね。




*1:1999年時点で、インド政府によると2億6千万人、世界銀行によると3億5千万人


*2:『をちこち』18号は、全国の主要書店やオンライン書店、そして、9月29日(土)と30日(日)に行われるナマステ・インディア2007の会場(代々木公園イベント広場)でもおもとめいただけます!


*3:Satyajit Ray監督の映画Kapurush o Mahapurush(臆病者と聖者)に登場する女優Madhabi Mukherjee。映画は残念ながら日本未公開です。


*4:ホスコテ氏は、ドディヤ氏が2001年に個展「ボンベイ:迷宮(ラビリンス)/実験室(ラボラトリー)」を日本で開催した際にキュレーターを務めました。http://www.jpf.go.jp/j/others_j/old/0105/05-02.html