Friday, December 21, 2007

 ASIA5×DOREMEのデザイナーさん、再び~後編((前編はこちら))~






-さて、ちょっと話は戻りますが、今回のアーティストサミットに参加されて、どんなことが印象に残りましたか?





f:id:japanfoundation:20071201105231j:image:left 今回のように、「アーティストとして出来る事」について世界のアーティストが2日も膝を詰めて話すことってそうそうないと思うんです。すばらしいイベントですよね。私たちアーティスト一人一人にとっても大変意義のあるディスカッションでした。こんなことをしては?という提案の中にはとってもアーティストらしい突拍子もないものもあったんですが(笑)、こうしておなじテーブルで話し合う、そのこと自体が意味ある事だと思うのです。




それから、聴衆は全国から作文によって選抜された学生さんと聞きました。つまり、関心を持ってわざわざ京都にやってきた学生さんという事になります。そうした学生さんとお話できた事もとっても良かったと思います。





-そういえば、プックさんのところには、学生さんたちが列を作ってお話する順番を待っていましたね。


おそらくアジア人だし、一番素人っぽくて親しみがあったのでしょう(笑)。
それにもう一つ、非常に印象に残ったのが、2日目の外部パネリストを招いたパネルディスカッション。中でも、小山内美江子さんの「カンボジアに学校を造り、そこに日本の学生さんたちを送って交流しているプロジェクト」*1の話がとても印象に残りました。「世界からいろんな援助が届きます。でも物だけじゃなくて人、しかも若い学生さんたちを送り、現地の子供たちと交流する。これは日本の学生にとっても良い勉強になり、とても良い顔になって帰ってくる」と。




実は私もMae Fah Luangプロジェクトでゴールデン・トライアングルの人たちが換金作物として作っていたアヘン栽培からオーガニックコットンに切り替えるお手伝いをするプロジェクトなどに関わってきましたが、「現地の人たちにとって本当に良いこと」と信じてやっていながらも、いつも疑問や葛藤と背中合わせでした。そんな中、小山内さんの現地での活動のビデオから、なにか糸口が見えたような気がしました。こうして学ばせていただいたことを私も今後「私の出来ること」としてつなげて行きたいなと思っています。





-プックさんは、これから3月の個展に向けての準備も始められ、本当にお忙しいと思いますが、他にはどのようなお仕事をされていらっしゃいますか?





現在、キングモンクット工科大学でテキスタイルデザインの教鞭をとっています。またロイヤル・タイ社(タイ・カーペット制作会社、通称タイピン)のデザインディレクターとして、カーペットデザインにも取り組んでいます。ミッソーニ・ホームのカーペットデザインも依頼が来ているので、現在ミッソーニらしさとオーガニックの優しさを合体させたデザインを研究中なんですよ!





-楽しみですね。本当に可能性がどんどん広がっている感じがして、伺っていてもワクワクしてきます。





ええ、本当に。これもみな昨年ジャパンファウンデーションに招へいしてもらったことから始まって、そのあと次々と・・・といった感じで展開していったんですよ。



今回、昨年来日した際にお会いした新井淳一先生を桐生に訪ねましたが、そこで別のテキスタイルデザイナーの方ともお会いすることができ、是非一緒に何か作品を作ろうと約束しました。また、滞在中にジャパン・クリエーション*2も視察しましたが、海外のデザイナーも歓迎すると伺ったので、ぜひ将来作品を提出してみたいと考えています。

本当にいろいろあって大変ですが、楽しいです。こんな機会をくださったジャパンファウンデーションと担当してくれた皆さんに改めて感謝しています。

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(バンコク日本文化センターでの展覧会の様子)





国際交流基金の事業をきっかけに、どんどんと広がっていったプックさんと日本のアーティストとのネットワーク。

これこそ、国際交流に携わる私たちスタッフにとってのやりがいであり、一番の喜びです。

プックさん、ありがとうございました。



*1:ブログチームより:小山内さんが代表を務める、JHP・学校をつくる会の活動は、こちらから→http://www.jhp.or.jp/

*2:国内最大規模のテキスタイル見本市




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