Friday, May 30, 2008

「外国人による日本語弁論大会」開催!



たびたび登場、みかんです。皆さん、6月14日は何の日かご存知ですか?JFメルマガ*1を読んでくださっている皆さんはもうお分かりですね!(ちなみに父の日の前日!)


そう、第49回外国人による日本語弁論大会が開催されます。





日時:  2008年6月14日 土曜日 午後1時開始(12時30分開場)


開催地: 川越市市民会館 (埼玉県川越市) 地図(PDF)


入場: 無料/申し込み不要




大会は国際交流基金(ジャパンファウンデーション)、(財)国際教育振興会、川越市*2の共催です。





NHKの教育テレビでも毎年放送されている、この大会、実はJF職員のみかんも恥ずかしながらまだ見に行ったことがないんです。先日の新人紹介ブログで弁論大会担当になったと発言していた、新入職員のずっきーに、その裏側をちょこっと教えてもらいました。










Q: 49回もの歴史を持っているんですね。今年は「日本語国際センター*3設立20周年記念の大会」でもあるんだとか。いつから始まったんですか?






1960年から毎年開催されている、歴史ある大会なんですよ!(財)国際教育振興会が第1回大会から主催していて、基金が共催団体として参加したのは平成10年度の第39回大会からなんです。



Q:弁論大会の当日は、選ばれた12名の方がスピーチをするんですよね!世界各国から参加があるようですが、応募者は何人くらいあったのですか?どんな国が多いのか気になるところ。






予選のテープ審査への応募はなんと、約100名!!世界各国出身者の応募がありますが、やはり、地理的に近い韓国や中国の方からの応募が多いですね。



Q:優勝者には毎年素敵な景品があると噂にききましたが・・・。本当なんですか?!






うふふ。本当みたいですよ。今年の景品はまだ決まっていませんが、去年の各賞の景品には、国内往復航空券や、ビデオカメラ、DVDレコーダーなど、質問に答えている私の方が欲しくなってしまうような景品が数多くあったみたいです!






Q:当日は、スピーチの他にも特別公演があるんですよね?どんなステージが見られるのかしら?









今年は、埼玉県川越市での開催ということで、川越まつり囃子や地元星野高校の筝曲部のみなさんによる演奏が予定されています。会場の外国人の方々に、日本の文化を伝えるよい機会になりますよね。みなさん、スピーチも特別公演もぜひ、会場へ足を運んで聞いてください!






ずっきー、ありがとうございました!





そして、もしこのブログを読んでいる、日本語学習者の方がいらしたら、来年はぜひ応募にチャレンジしてみませんか。





実は、みかんも昔、外国語のスピーチコンテストに応募した経験があります。(たった今、ブログを書きながら思い出しました・・・笑。書類審査になんとか通って、大会はたった5分のスピーチだったのですが、テーマを決め、原稿を書き、ネイティヴの先生にチェックしてもらい、何度も何度も暗誦するんですよね。


外国語で、しかも数百人の会場のステージで話す経験、本当に緊張するのはきっと皆さんにも想像いただけるのではないかと思います。わたしの場合、大会は見事落選してしまいましたが、同時にものすごく勉強になったのを覚えています。正しい発音、その言語でのスピーチの組み立て方、語彙や、自分の伝えたいメッセージ。


5分の中身は濃いんです!ひょっとしたら母語で話す以上に。





弁論大会のくわしい内容については、後日ずっきーからの密着レポートをお楽しみに。





最後にオマケです。会場となる川越市は、日本の江戸の情緒あふれる「蔵造り」の町並みで知られる、まさに日帰りにぴったりの観光スポット☆ 池袋から30分です。お出かけ前には観光協会のサイトをチェック。(小江戸っこより)


6月の土曜日、ぶらりと出かけてみませんか?




*1:えっ、まだメルマガを読んでいない?!そんな方は、こちらで登録いただけます。


*2公式サイトもぜひご覧ください。


*3:日本語国際センターHPはこちら





Tuesday, May 27, 2008

最近話題の本を読みました。



こんにちは、みかんです。今日もとっても気持ちい青空、芝生に寝転んで読書でも・・・といきたいところですね。


みなさん、最近読んだ本はありますか?いくつかの新聞の書評で見かけた「現代アートビジネス」という本が気になり、先日手にとってみました。


著者の小山登美夫さんは、清澄、最近では新たに代官山でもギャラリーを経営する話題の人物。ご著書の中では、芸大在学中からのアーティストの卵たちとの接点や、ギャラリストの役目について、世界と日本のアートマーケットの比較など、小山さんご自身の経験をふくめて、非常にわかりやすく書かれています。




トランク一つを抱えて、まだ有名になる前の奈良美智さん*1の作品を海外のインディーズ・アートフェアへ持ち出したときの気持ち、国内ではまだ村上隆さんが評価されていなかった頃、海外のコレクターの反応に手ごたえを感じて、売り出していける!と感じたときの気持ち、そんな著者の心情が、ふと読んでいたわたしの目にとまりました。





たぶん、日本文化を海外に発信していくときの気概、のようなものを改めて意識したんじゃないかと思うんです。世界各地でジャパニメーションやJ-POP、伝統的な日本の食文化を紹介する、そんな様々な事業をわたしたちジャパンファウンデーションは日々行っています。そんなわたしたちにも通じる部分が「ビジネス」を舞台としている小山さんの本の中にもあちこちにあった気がしました。まだまだ新米のわたしにははっきり言葉にはできませんが・・・、そんなもどかしい気分でこの本を読みました。もし関心を持った方がいらっしゃったら、手にとってみてくださいね。





ところで美術館で働くスタッフが、よくお客さんに聞かれる3つの質問、というちょっと面白い話を聞いたことがあります。


皆さん、何だと思いますか?


答えは・・・


1.いちばん高い絵はどれですか?(いくらですか?)


2.美術/作品の見方が知りたい、教えて!


3.この絵はホンモノなんですか?





3はまあ、一時期ある作家の贋作や盗作が騒がれたのを反映していたり、お宝鑑定団のようなTV番組のヒットとも関係があるのかもしれません。(これについては、ギャラリーでも本物か?と尋ねる人がいる、と小山さんも触れています。)


いずれにしても、作品の値段、これって高いの?ホンモノなの?とみんなが聞きたがるわけですね。


「アートビジネス」に目をつけた本が今回出版されたのも、まさしく今の世の中のニーズに対応しているんだろう、と想像します。ビジネスというかたちはもちろんのこと、今世界ではどんな人たちが、どんな日本に注目しているのか、文化交流を行うジャパンファウンデーションも目が離せないところです。


ではでは、今日はこのへんで。




*1:現在、ジャパンファウンデーションが行っている展覧会「アジアへ発信!-日本の現代美術 KITA!! : Japanese Artists Meet Indonesia」でもYNG(奈良美智+graf) の作品をご紹介しています。現地での展示についてはまた近々ブログで紹介予定ですので、お楽しみに!





Wednesday, May 21, 2008

 プレゼント!横浜トリエンナーレ2008 特別チケットパック




みなさまこんにちは。松岡です。


このブログに登場するのも、回を重ねるごとに間隔があいてしまいまして、今回も半年振りとなってしまいました。今の「地球を開けよう」ブログのノリとちょっとずれてしまっていたらごめんなさい。





現在、僕は「横浜トリエンナーレ2008」という、3年に1度開催される現代美術の国際展の事務局スタッフとして、今年9月の開幕に向けて準備を進めております。逐次この場をお借りして、準備状況の報告をしようと思ってはいたのですが、気づいたら全然報告できてませんでした。





ベネチアビエンナーレで横浜トリエンナーレの宣伝をしてきた話や()、キュレーター全員が東京に集まって開催された濃密なシンポジウムのレポート()、といった、どちらかというと横浜トリエンナーレが始まる前のプレイベントのご報告ばかりでしたが、いよいよ開幕まで半年を切り、展覧会自体の準備も本格化してきております。





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既にごらん頂いた方もいらっしゃるかと思いますが、横浜トリエンナーレ2008の準備状況を皆さんにいち早くお伝えすべく、横浜トリエンナーレの公式ホームページ内でブログもスタートしました。





といいつつも、まだなかなか展覧会の中身の話にまで踏み込んでないのですが・・・。既に発表されている参加アーティストの関連情報やチケットの情報等を中心に、ご案内をしております。近いうちにまた皆さんへ、より詳細な展覧会情報をいち早くお伝えできると思いますので、ぜひこちらのブログもチェックしてみてください。





また度々ブログ上でもご案内してますが、現在全国のミュージアムショップ等で横浜トリエンナーレ2008の「特別チケットパック」を限定5000個で発売中です。こちら、入場券とガイドブックの引換券に非売品のグッズ(ノートとトートバック)、さらに会場内のカフェで使える金券もついて、3000円で発売してます。グッズのデザインは、ブルーマークの菊地敦己さん。バックはマチがついて使いやすいですし、僕も普段の買い物で使ってます。




この秋絶対に横浜トリエンナーレに行く、という方にとっては、確実にお得なセットですので*1、まだお買い求めになってない方は是非!





インターネット販売もやってます。販売場所の情報は(こちら)です。





また現在、この「特別チケットパック」プレゼント企画も実施してます!


詳しくは「横浜トリエンナーレ・オフィシャルブログ」に応募方法が書いておりますので、ご確認ください。








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*1:一般の方の当日入場券は1,800円、ガイドブックは800円、これにカフェ・ショップの利用券500円分で既に3,100円です。これに非売品のトートバックとノートが付きます。





Monday, May 19, 2008

ポトマック河畔に浮かぶ日本宮殿



~ケネディーセンター日本フェスティバルが開かれました~


米国ワシントンで、なにやら面白いことが起こっている! と聞きつけたブログチーム、さっそく現地で働くジャパンファウンデーション職員、マッチさんにレポートをお願いしました。


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 米国の首都ワシントンというと、何を思い浮かべますか? ホワイトハウスや合衆国議会議事堂の建物は、テレビ・ニュースでおなじみですね。アメリカ政治の中心地として名高いワシントンですが、実は、文化都市の顔も持っています。スミソニアン協会が運営する16の博物館群は世界的に有名ですし、ナショナル・ギャラリーも見逃せない観光スポットです。








 アメリカ唯一の国立劇場、ケネディーセンターは、ワシントン中心部を流れるポトマック河畔にあります。今年2月上旬の2週間、日本文化を総合的に紹介するフェスティバル「ジャパン! カルチャー+ハイパーカルチャー」がここで開かれました。7つの劇場と3つのギャラリーを持つ巨大な舞台芸術の殿堂には、450人を超えるアーティストが招かれ、演劇・ダンス・音楽を中心に、視覚芸術(美術・工芸・デザイン・ファッション)、ロボット、文学、アニメ・マンガ、映画、料理など、40件以上の多彩なプログラムが万華鏡のように展開されました。











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本フェスティバルは、その規模もさることながら、世界とダイナミックに交流する現在の日本文化を多角的に紹介するという点で際立っていました。ケネディーセンターの委嘱による宮本亜門の新作『UP IN THE AIR』は、アメリカ演劇の象徴とも言えるミュージカル形式で、水上勉の原作『ブンナよ、木からおりてこい』を米国人キャストにより舞台化した作品。新国立劇場バレエ団は初の海外公演として、帝政ロシア時代に書かれた中世フランスを舞台とする『ライモンダ』を披露。東京に拠点を置き、フランス人アーティスト、フィリップ・シャトラン率いるラップトップオーケストラは、石川高の笙と共演。ニューヨークに拠点を置くヴァイオリニスト、五嶋みどりは、アメリカを代表する若手室内アンサンブル「ミロ・カルテット」と共演し、ジャポニズムに感化されたドビュッシーと、彼に影響を受けた武満徹の作品を一晩で披露。日本語とドイツ語で作品を創作する芥川賞作家の多和田葉子は、同じくベルリンに住むジャズピアニスト、高瀬アキとデュオを組み、音と言葉のパフォーマンスを展開。日本の古典演劇の中からは狂言が選ばれ、人間国宝・野村万作が『棒縛』『川上』『茸』を演じる一方、野村萬斎は、シェイクスピアの原作を日本の伝統芸能というレンズを通して蘇らせた『間違いの狂言』で観客を魅了しました。



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 センター2階のアトリウムでは、草間彌生の水玉模様で覆い尽くされた「ドッツ・オブセッション」と、安藤忠雄のインスタレーション「私たちの環境について考えるための四つの立方体」が来訪者の目を惹きました。特に、草間の水玉模様のオブジェは子供たちに大人気で、跳んだり跳ねたり、寝転がったり。その様子を写真に収めるのに一生懸命な父兄の姿。やはり、親子連れが必ずと言って良いほど立ち寄ったのは、「ロボトピア」と名付けられたネーションズ・ギャラリー。ロボットを人間と対立する機械ではなく、人を助け、人間社会に寄与するものと捉える日本人の発想に独自性が見出され、からくり人形から最先端の人型ロボットに至る様々なタイプが展示・実演に供されたほか、専門家のレクチャーや明和電機のパフォーマンスも行われました。約1時間おきに行われたホンダ・アシモとトヨタ・パートナーロボットのデモンストレーションは毎回、最前列は小さな子供たちでびっしり埋まり、その後ろに大人の人だかり。特に週末は、隣のマンガ喫茶コーナーとともに、押すな押すなの大混雑ぶり。地元の在留邦人の方々や、日本語・日本文化を学ぶ学生を含む総勢230人のボランティアが会場整理に当たりました。


  


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 多くの無料イベントを用意し、親しみやすいプログラム編成を心掛けたこと、さらに季節外れの陽気も手伝って、日本文化の玉手箱と化したケネディーセンターには、物見高いワシントン市民はもちろん、全米各地や世界中から米国の首都を訪問中の観光客も立ち寄り、思い思いに展示や公演を楽しむ姿が絶えませんでした。その数、延べ10万人以上と見られています。


 フェスティバルの芸術監督を務めたのは、ケネディーセンター国際事業担当理事のアリシア・アダムス氏。日米両国の様々な関係者の意見を参考にしながら、アダムス氏はわずか2年の準備期間中、訪日調査を4回行い、質の高いフェスティバルを実現しました。アートと科学技術、ハイカルチャーとサブカルチャー、古典と前衛が共存し、せめぎあう現代日本の文化状況を「ハイパーカルチャー」という造語で表現したのも、同氏の慧眼によるものです。一方、国際交流基金ニューヨーク事務所は、フェスティバルの企画の初期段階から、アダムス氏を中心とするチームの活動を、ロジ・サブ両面について支援しました。



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 故ケネディー大統領の追悼記念館でもあるセンターの壁面には、同大統領が残した次の言葉が刻まれています。「私は、ビジネスや国政における業績が評価されるのと同様に、芸術における業績も評価されるアメリカを期待したい。私は、芸術の到達水準を常に高め、すべての国民に文化的な機会をたえず拡大するアメリカを期待したい。私は、その国力のみならず、文明についても世界中から尊敬を受けるアメリカを期待したい。そして私は、民主主義と多様性のみならず、個人の差異ゆえに安全となるアメリカを期待したい」。そのような想いの込められた場所で開かれた今回のフェスティバルが、日米文化交流史の一つのマイルストーンとして、長く人々の記憶に残ること――それが空前規模のイベントに携わった関係者一同の願いです。








【関連リンク】


● フェスティバルの公式ウェブサイト


http://www.kennedy-center.org/japan


● 毎日夕方6時に行われた無料公演の動画


http://www.kennedy-center.org/programs/millennium/archive_month.cfm?month=2&year=2008


● 児童生徒向けの日本文化ガイドブック


http://www.artsedge.kennedy-center.org/iPass/


● アリシア・アダムス氏(ケネディーセンター)へのインタビュー記事


http://www.performingarts.jp/J/pre_interview/0706/1.html





Thursday, May 15, 2008

舞台を創るという仕事、それを支援するという仕事 ~担当者の目から見えるもの~Part1






こんにちは。三富です。


3月でブログチームを引退したにも関わらず、懲りずに登場します。




さて、以前全2回にわたってお届けした、「舞台を創るという仕事、それを支援するという仕事 ~シンポジウムから見えたもの~」*1。国際交流基金として、「舞台を創る」ことにどのように関わって(支援して)いるのか、また今後どう関わっていったらよいのか、シンポジウムでの報告の内容を踏まえてご紹介しました。





今回は、「舞台を創るという仕事、それを支援するという仕事 ~担当者の目から見えるもの~」と題し、実際に現場の職員がどのように「舞台を創る」ことに関わっているのかについて、1つのプロジェクトを例にご紹介します。





何度かブログにもご登場いただいている大島さんに、舞台芸術課での仕事ぶりを教えていただきました 


(*`・_っ・´)ノヨロシクッ☆彡






皆さま、こんにちは 舞台芸術課の大島です。


日本の舞台芸術を海外に派遣する「海外公演主催事業」、海外公演を行う団体へのサポートを行う「助成事業」、演劇フェスティバルや国際シンポジウム等を主催・資金面でのサポートを行う「舞台芸術情報交流事業」などにたずさわっています。





これまで担当している事業では、


日本の伝統楽器「箏」のアーティストにメキシコ・ドミニカ共和国・チリを巡回してもらう現代邦楽ツアー


7月末に沖縄で行った「児童青少年演劇フェスティバル」での国際シンポジウム

日本ブラジル交流年の開幕を飾る事業「江戸糸操り人形『結城座』公演」*2





などがあります。





一般的に“舞台”というと、きっとアーティストと仲良くなり、コンサートや舞台をつくっていく楽しい・華やかな仕事だなぁ・・・という印象をお持ちかもしれません。


でも1つの舞台を作るためには、何が必要か、考えたことはありますか?アーティストと公演内容について議論することは勿論大切ですが、会場確保、機材の調達、機材輸送の手配、航空券・ビザの手配・・・一つの海外公演を実現するには、地味な細かな仕事がたくさんあります。また、公演が行われる現地の担当者にも細かな点まで動いていただくことになります。“産みの苦しみ”が大きな分、公演が無事に成功したときは、本当にほっとします。




さて、2008年は日伯交流年(日本人ブラジル移民100周年)*3。基金も主催・助成と様々に支援しています。詳しくはこちら





 今回は、日伯交流年事業のうち、現在準備真っ只中!の現代舞踊公演(8月ブラジル巡回)について、これまでの動きについて、国内を中心に、ご案内しましょう。





“現代舞踊公演”とは、欧州でも高い評価を受けている舞踊家・加藤みや子氏、及び同氏の主宰するカンパニー「加藤みや子ダンススペース」を派遣し、ブラジル国内5都市の巡回公演を実施するもの。伊藤キム・笠井叡・加藤みや子による作品『SAND TOPOS』、加藤みや子ソロ作品『NIKKI』といった日本人ダンサーによる公演に加え、ブラジル人ダンサーとの共同制作による新作『笑う土』を上演します。





特に、新作『笑う土』については、2007年5月の岩手県岩泉町安家・盛岡市でのワークショップを出発点に創作を開始し、11月東京にて日本版を初演、12月盛岡公演、ブラジルでのダンサー選出・ワークショップを経て、2008年8月、ブラジル版を完成させる長期的プロジェクトなのです!





創作は、2007年5月、岩手県岩泉町安家で始まりました。


盛岡市からレンタカーに乗って約3時間・・・






私たち国際交流基金の職員の仕事は、「地道な」作業の積み重ね。


さてさて、気になる昨年5月の岩手ワークショップの様子は後編で。


お楽しみに~。




*1Part1Part2


*2:結城座の公演については、5月のJF便りでも紹介しています。


*3:日伯交流年については、こちら





Tuesday, May 13, 2008

 「オルハン・パムクとの対話」開催!






ブログ読者のみなさま、


ショートノーティスでたいへん恐縮ですが、


今週5月15日(木)に


「オルハン・パムクとの対話」というイベントが開催されます!





「えっ、あのオルハン・パムクさんが来日中!?」


と思ったあなたも、


「オルハン・パムクって誰?」


と思ったあなたも、


まずはこちらをチェックしてみてください!





私、久保田がはじめてパムクさんのお名前を耳にしたのは、


氏がまさにノーベル文学賞を受賞されたとき。


僕の大好きな作家・村上春樹氏も有力候補と噂されていたなか、


ニュースを追っていたときでした。


(そのときには「トルコ人初のノーベル文学賞受賞」


という情報が頭に残っただけで、


恥ずかしながらお名前の記憶すらあやふやでした…(_ _。) )




それから幾星霜*1





このたび国際交流基金(ジャパン・ファウンデーション)が

藤原書店*2、青山学院大学総合文化政策学部との共催で、


オルハン・パムクさんをお招きしてイベントを開催すると知った私は、


これを奇貨とすべしと、氏の小説『雪』


講演・対談集『父のトランク』を手に入れ、


毎日、少しずつ読み進めているところです。


作品の感想も含めて、イベント報告記を書きたいと思っていますが、


とりあえず、非常におすすめとだけ言わせてください!!





イベント当日はパムク氏による作品の朗読、そして


ジャパン・ファウンデーションの小倉理事長をモデレータとして迎えた


パムク氏と辻井喬氏との対話が行われます。





会場は、青山学院大学総研ビルの12階大会議室、


参加費は無料で、まだ残席も若干あるようです(当日参加もOK!)。





平日の午後にかかった時間ですが、


ご都合が許す方、この貴重な機会をお見逃しなく!




*1:実際は1年ちょっとです。誇張をお許しください。


*2藤原書店のホームページには「2006年ノーベル文学賞受賞 オルハン・パムク5/14~5/21 来日!」と大きく書かれています!訳者の和久井路子氏によるPR誌寄稿文なども読めますので、チェックチェック。





Monday, May 12, 2008

「こちをち」~ところ変われば価値観変わる(後)






『をちこち』最新号、p.27~32に納められている細川多美子さんの論考は


本号における白眉だと個人的には思いました。


ブログ読者のみなさまにもぜひ読んで頂きたい一篇です!





さて今日は、細川さんの論考におさめられている1枚の写真から始まる話題です。





p.30ページの半分を占めんとする大きな写真には


「ヘソ出し(ハラ出し?)ファッション」の女性が映っています。


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細川さんはここで流行という切り口からブラジルの人々


(ここではとくに女性)の価値観を分析なさっているのですが…





それではここで再びIさんにご登場願います。


とりあえずインタビューをご覧ください!





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久保田(以下、K):細川さんは「ブラジルに流行というものがあるのかないのかよく分からない」と


おっしゃっている一方で、サンパウロにおけるヘソ出しファッションの流行という現象もとりあげていらっしゃいます。


一読、このあたりが僕にはうまくつかむことができないのですが、これってどういうことなのでしょう?






もちろん流行はありますよ。でも日本の流行とはかなり違うわよね。






K:どういう点が異なるんでしょうか?






たぶん、流行が人に及ぼす力の強さがポイントだと思う。


受ける側の姿勢といってもいいと思うけれど。


ねぇ、たとえば日本の女の子のファッションって、みんなどこか似てない?


それぞれ違うものなんだけど、どこか画一的っていうか。






K:そうかもしれないですね。すぐ思いつくのはファッション雑誌や芸能人の影響でしょうか。






日本の女の子のあいだではみんなと同じじゃなきゃいけない」とか


「このラインは外せない」っていう意識が強い気がする。





翻ってブラジルでは「こうでなくちゃ!」という意識が強くない。


流行と呼ばれるような雰囲気があっても、「自分は自分でいい」というか。






K:「自分は自分でいい」ですか。






ちょっと話が飛ぶけれどダイエットって日本の女の子のあいだでよく話題にあがるよね。


これってブラジルでも一緒で、女の子はみんなダイエットに関心があるの。


「あぁ、やせなきゃ」っていつも言ってる。 これも流行と言えなくもないのかも。





でもね、確かに関心はあるんだけど、たとえ太っていても自分のことを否定はしないの。


太っている自分をだめだと思ったりしない。






K: 「太っている自分をだめだと思ったりしない」!。






「太っている自分が嫌い」じゃなくて、自分のいいところのほうが前に来る。


目がかわいい!」とか


自分の笑顔が好き!」とかね。





ファッションでもそうで、確かに力は弱いながらも流行はあると思うんだけど、


だからって流行に乗ってなければ自分はダメだと思うかというと、


あるいは逆に流行に乗っていなければ周りからダメだと思われるかというと、


そういうことがないのよね。


まぁ、これには他にも背景があるとは思うんだけど……






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Iさんにお話を伺う前、ブラジルにおける流行と個人の考え方の関係を


うまくつかむことが僕にはできませんでした。


それでIさんに「これってどういうことなんでしょう??」と質問してみたのです。





このあとIさんは、ブラジルという共同体のなかには、


日本以上に大きな地域差(あれだけ広大な土地なんですものね)や、


人種的な多様さ―白人、黒人、混血、アジア系…―、


さまざまな価値観があることを教えてくださいました。


容姿1つをとっても、何がかっこよくて、


何がかっこ悪いのか、定まりにくいんですね。





その多様さは価値観や審美観が容易に画一化されることを許さない


というふうにも言えるのかもしれません。





それにしても、自分の短所よりも長所を意識しているのは


前向きでとってもいいと思いませんか?





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今回の特集のタイトルは「遠くて近いブラジル」でした。





これまでずっと主に東アジアに関わってきて、


ブラジルを訪ねたこともブラジル人の知人もなかった僕にとって、


正直なところブラジルは「遠くて遠い国」でした。





誤解を恐れず言えば、実際のところ、多くの日本に住む多くの人々にとって


ブラジルは「遠くて遠い国」なのかもしれません。





やっぱり限界はあって、たとえ関心を抱いたとしても、


すべての物事に積極的に深くコミットすることはできませんものね。





でも、やや大げさな言い方になってしまいますが、


本特集を読みおえたあと、ブラジルはもはや僕にとって


「遠くて遠い国」ではなくなっていました。


数時間で何かが変わることもあるんだな、と思ったのです。





ところ変われば価値観変わる。





みなさんも『をちこち』第22号で


ブラジルに思いを致す、数時間の小旅行をしてみませんか?





Friday, May 9, 2008

 「こちをち」~ところ変われば価値観変わる(前)






美容整形における優先順位「ヒップ→バスト→顔」の背景を知りたいと思った


小生は、基金の先輩Iさんのところを訪ねました。





今回改めて伺ったところ、


Iさんは小学校から中学校にかけてリオ・デ・ジャネイロで5年半、


大学時代の留学で同じくリオ・デ・ジャネイロで1年、


そして基金入社後にサンパウロ日本文化センター3年半、


あわせて10年間(!)をブラジルで過ごされたということでした。





さっそくですが、Iさん、ちょっとお話を聞かせていただいてもいいですか??





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久保田(以下、K):ブラジル人女性が整形する際の優先順位が


「ヒップ→バスト→顔」というのは、Iさんのご経験に照らして本当ですか?



Iさん(以下、I): それは本当だと思いますよ。






K: なんと本当でしたか!そのような順位が生まれる背景には何があるのでしょうか?



I: やはり男性の視線ではないかなぁ。


 たとえば日本の男性は前のほうから女性を見たいんじゃない?


 もちろん女性が男性を見るときも然りだと思うけれど。






K: え…、ちょっと…、そのあたりは何となく申し上げにくいところがありますが… 






I: まずは顔、スタイルはその次という感じ。


 で、スタイルを見るといっても前方から。ね?






K: 恥ずかしながら正直に申し上げまして、そのようであるのではあるまいかと・・・



I:でもブラジルの男性は、例えばビーチとかで


 前方から歩いてきた女性とまずすれ違ってから、


 あとで振り向いて、さらにレビューするくらい、


 ヒップが重視されているのよね。


 それで女性も美容整形するならまずヒップと思うんじゃないかしら。






K: いやはや、そうでありましたか。ではこの話題に関しては


 十分お話を伺えたということで、


 次の話題に移ってもよろしいでしょうか(ゴニョゴニョ)・・・





                                     (つづく)


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というわけで、必要以上にあたふたしてしまいましたが


Iさんから興味深い日伯間の差異について証言をいただきました。





Iさんにはこのあと、最新号に掲載されている


もう1枚の写真についてもお話を伺ってみました。


そのお話から感じとれた価値観や考え方には


「これは!」と唸らせられるところがありましたよ。





来週月曜日の後編では、流行との接し方に見られるブラジルの人々の


柔軟な発想について、Iさんにお伺いします!





Thursday, May 8, 2008

 『をちこち』ブラジル号が朝日新聞で紹介されました!






こんにちは、久保田です。皆さん、5/1の朝日新聞ご覧になりましたか?


国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の定期刊行誌『をちこち』が紹介されました!





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日伯交流年にあわせて「遠くて近いブラジル」と題した第22号。気になるその内容は・・・





まずは今回で4回目を迎えた束芋(たばいも)さん、五十嵐太郎さん、テッサ・モーリス=スズキさんの


連続エッセイ「をちこち散歩」。いつもながら、読者の思考と想像のスイッチを入れてくれる濃密な3篇となっています。





そして本号の特集「遠くて近いブラジル」


微から巨に至るまで縦横にブラジルと日本を語る中牧弘允先生、井上章一先生、イシカワ・エウニセ・アケミ先生の鼎談に始まる8本の記事もまた、内容が実に刺激的。





そのほかにも、俳人の宮下恵美子さんによるインドにおける俳句を通じた交流に関する寄稿、

昨年12月にJENESYS Programmeの一環として開催されたフォーラムに関する菊池靖先生によるご報告*1

さらには中国人作家・李鋭さんによる来日印象記に*2


ふみ子・デイヴィスさんによる文豪トルストイに関する特別寄稿と、充実の内容となっています。





目次はこちらでチェック!




定価525円(税込)、主要オンライン書店や大型書店で発売中です*3。ぜひともご一読ください!!





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さて、ここまで最新号の紹介をしてきましたが、


ここから早速次の展開に行ってみたいと思います。





次の展開とは、『をちこち』本誌で使うことができなかったけれど、


ぜひ皆さんにお届けしたいトピックを紹介したいのです。

題して「こちをち」*4とでも申し上げましょうか。





今回の「こちをち」は本誌に掲載された2枚の写真から始まるお話です。


まずは1枚目から。





『をちこち』を手元にお持ちの方はp.16の左下をご覧いただけますでしょうか。


ビーチに遊ぶ水着姿の女性を撮った写真があります。





(ふーん、ビーチか…、まあブラジルっぽいよね…)←心の声





と思って過ぎ去ろうとしたあなた、キャプションにご注目ください。こんなことが書いてあります。





ブラジルでは美容整形の多くはヒップ。次はバスト、その次が顔…





(あれ…!? (??)(??))





読者のみなさまのなかには驚かれた方も多いのではないでしょうか。


一般的に言って、これって日本と大きく違いますよね。





このような審美観や価値観が生まれる背景には何があるのでしょうか??


小生、ちょっと不思議に思ったものですから、


ジャパン・ファウンデーションでブラジル経験がもっとも豊富な先輩職員にお話を伺ってみました。





明日はその様子をお届けします!




*1:JENESYS Programmeは、どうやら本ブログで初登場のようです。プログラムの詳細とフォーラムの記録はこちらでどうぞ。


*2:毛丹青さんによる李鋭さんへのインタビューが『中国語ジャーナル』5月号に掲載されていましたよ。中国語を勉強されている方、ぜひチェックしてみては如何でしょう?


*3:購読のご案内はこちら


*4:今後、定着させていきたいです、ぜひ。





Friday, May 2, 2008

ブログ員からのオススメ(♪ブラジル映画♪)



明日からゴールデンウィークですね!学校や仕事がお休みのみなさま、連休はどこかにいかれますか~?(^o^)?





国際交流基金(ジャパンファンデーション)に入ってから、蟹江はお休みを使って、美術館に行ったり、ダンスや映画を見たりすることが多くなりました。 


今年は、日ブラジル交流年ということもあって、最近、ブラジルに関係のイベントをチェックしています~♪ 


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いつも基金の活動を紹介しておりますが、今日は連休前にちょっとブログ・ブレイク、最近見た映画『ファベーラの丘』をご紹介します☆








舞台はリオデジャネイロのスラム街、“ファヴェーラ”、子供達の夢はギャングのリーダーになる事。

そんな子供達に、ダンスやパーカッションといった数々のワークショップを通じて、文化や芸術に触れさせるチャンスを与え、希望を取り戻そうと始めた試みを追ったドキュメンタリー映画です。 *1








国際交流基金 Japan Foundationも、文化芸術を通じた協力を行っているんですね。


「元紛争地」のひとびと、中でも、将来を担う子供たちの「精神的復興」のプロセスに「文化・芸術交流」を通じて積極的に関与していけないだろうか、との視点から実施された事業、 「アチェの子供たちと創る演劇ワークショップ~子供向け芸術事業を通じた元紛争地の復興支援」以前ブログ記事でも取り上げました☆





ブラジルでもこのような文化芸術を通じた取り組みがあるのだなぁと、参考になったこの映画。


音楽とダンスも素敵なんです!!蟹江は大学時代ストリートダンスをやっておりまして、HiphopやR&Bが大好きなのですが、今回のAfro Reggueも素敵です☆





ブラジルと言えば、今回の『をちこち』はブラジル特集号です。

来週も“ブラジルウィーク”と称して、ブラジルについてのトピックをお届けする予定です。お楽しみに~☆*2




*1:連休中も東京都写真美術館のホールで上映されているようですので、ふらっと足を運んでみるのもいいかもしれませんね!!それでは、良いお休みを!!


*2:連休明けには、久保田くんが『こちをち』として、をちこちの裏ネタを紹介してくれます!!!乞うご期待です~♪