Thursday, August 7, 2008

 東アジアの「人の移動」について






7月17日から27日まで中国、タイ、カンボジア、シンガポール、フィリピン、ニュージーランド、オーストラリア、インド、ミャンマー、日本、ラオス、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、インドネシアの総計15カ国から若手リーダーがやってきました。


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かながわ外国人すまいサポートセンターにて↑







これは、JENESYS次世代リーダー招へいプログラム*1の一つで、2007年から始まったものです。東アジア各国における行政・経済・研究・メディア・市民社会などなど、各界で活躍し今後を担うであろう20代から30代の若手を日本に招へいし、東アジアにおける共通の課題について話し合い、寝食をともにしながら、今後の東アジアの未来図を描く、そんな合宿形式のプログラムです。





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担当されたアジア・大洋州課Mさんに、今回のプログラムについてお話を伺いました☆








蟹江:今回のテーマは『アジア・大洋州地域における「ヒト」の移動:送出国―受入国及び当事者自身の利益を目指して』


人の移動?というと耳慣れない言葉ですが・・・





Mさん:そうですね、あえて「人の移動(migration)」と表現したのは、移民とか移住と表現すると外国へ渡り、そこで骨を埋めるというようなイメージになってしまうと思ったからです。近年では仕事だけのためではなく、留学、国際結婚、退職者の海外長期滞在、災害等のために人が流動的に移動していて、ブラジルに移住した日本人(日系ブラジル人)が日本に戻って定住するという現象も見られるようになりました。数年から数十年というスパンで日本、東アジアをはじめ世界各国で、人の移動は活発になっています。








蟹江:このテーマは日本人みんなに身近なものになってきているということですね。





Mさん:個人的にも日々感じる外国人の増加、韓国語を習い始めたら先生が在日コリアンだったこと、以前見たタイに出稼ぎに来ていたミャンマー人等が強制退去を恐れて津波被害の支援を受けられなかったニュース、友人の結婚式に出席した際に同じテーブルで座った新郎新婦の友人達が見た目は同じ東洋人であるのにも関わらず全員国籍が違い、北京、ロンドン、香港、ロス等と世界各地で活躍していた姿、帰国子女としての自分の経験、そのような断片的な情報が頭によぎりました。








蟹江:私もペルーに3年、イギリスに3年住んでおりまして、ずっと自分が『外国人』でしたし、日本に帰ってからもなかなか日本語に追いつけなかった経験がありますので、わかりますよ。さて、その人の移動がなぜ、東アジアの共通課題なのでしょうか?





Mさん:人の移動は今やグローバルに展開されていますが、近隣諸国の間ではより多くの移動がおこりやすいですよね。それならば、EUのように東アジア地域共通の人の移動に関するスキームを構築できれば、各国の産業や経済社会の発展、地域の活性化、外国人労働者・居住者のエンパワメント、そしてアジア地域の共生につながるきっかけとなると思います。このようなスキーム構築にはまだまだ時間がかかりますが、どのようにして文化の異なる人達と共存、社会統合していくのか、難民の受入の方法等についてはは日本にとどまらず、東アジア諸国でも同じようなことが課題になっていているのです。








蟹江:本当にそうですよね~。いやいや、大変参考になりました。今日はどうもありがとうございました。










実は私も機会があって、フィンランドで移民や難民の受入を行っている機関 *2にて3ヶ月間働いていたのです。


その時に、EUという枠組みで移民や労働者の受入について話し合える体制が出来ているのを見て、まさしくMさんと同じように東アジアはどうなるんだろう?


と感じておりました。そんなつながりもありまして、蟹江はこのJenesysプログラムに随行してきました!





その様子を後日レポートします!お楽しみに~☆




*1http://www.jpf.go.jp/j/jenesys/intel/exchange/jenesys08.html


*2:国際移住機関IOM 今回のプログラムでも駐日事務所に講演をお願いしました。http://www.iomjapan.org/





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