Sunday, November 22, 2009

 アジア美術の現在!?



こんにちは、もなかです。


今年基金に入ったばかりの新人で、現在は造形美術チームで働いてます。


今日は先週行なわれた、アジア次世代美術館キュレーター会議(Asian Museum Curators' Conference)についてレポートしたいと思います。





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この会議は、アジアの若手キュレーター(美術館などの学芸員)が、顔見知りになって国を超えた共同企画を立てたり、美術品の貸し借りをするネットワークを拡げよう!という目的で2006年から始められました。過去のホスト国は日本やフィリピン、韓国などでしたが、第5回目となる今回はなんと史上初!シンガポールとマレーシアの2カ国をツアーしながら行なわれ、過去最多の25名が6日間、寝食を共にしました。


今回参加したのは、シンガポールとマレーシアはもちろん、日本、韓国、インドネシア、ベトナム、タイのキュレーターたちです。シンガポールでは一日かけて現地の美術機関を廻り、国立美術館だけではなく、独立したキュレーターやアーティストが運営しているアートスペースも訪問しました。





この会議を一緒に運営してくれたシンガポール・アート・ミュージアム


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シンガポール最初の独立系アートスペース、サブステーション。中にはギャラリーをはじめ、ダンスのレッスン室のようなホール、ワークショップのための教室などがあります。


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国立教育学院内のアートギャラリー


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ちなみに、ジャパンファウンデーションでは、現在活発なアジアのアートスペースを網羅したガイドブックも出版しています。*1



オルタナティヴス―アジアのアートスペースガイド〈2005〉

オルタナティヴス―アジアのアートスペースガイド〈2005〉







興味のある方は是非読んでみて下さい。アジアでのアートの元気さにびっくりするはずです。








次の日はプレゼンテーション三昧。参加者全員が30分ずつ、自分の国や所属機関の現状報告と、興味のあるテーマについて発表をしました。


仲良くなった頃に、みんなでバスに乗りマレーシアの首都、クアラルンプールへ。約5時間の道のりです。





マレーシア国立美術館のバス


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マレーシアでも国立美術館はじめ、インディペンデントのアートスペースを廻り、そこのオーナーも交えてディスカッションを行ないました。


テーマは


・キュレーターの役割の変化


・展覧会のお客さんは誰か?


・キュレーター兼アーティストの台頭


など、興味深いものばかり。普段は展示やカタログの仕事に追われて後回しになりがちな


アート産業論、キュレーター論を戦わせました。働く国や機関が違っても、みなさんのアートに対する熱い思いが伝わってきました。





ディスカッション風景。25人で車座になると、壮観?!


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過去にはこの会議を通して培ったネットワークを生かして、日韓のキュレーターが合同で企画をした展覧会が実現しました。


今回の参加者たちも皆連絡先を交換していたので、これからいろいろなプロジェクトが生まれるといいな、と思います。





文化芸術って、なかなか目に見える効果は出にくいけれど、時間をかけて築いた人と人とのつながりが、国を超えた繋がりを生むんだなぁ、と実感した初出張でした。





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