Monday, March 15, 2010

 国際文化交流の醍醐味とは!!



こんにちは。Mです。


さて、先日ブログに書いた 「表に出るのが仕事じゃない。表に出すのが仕事なんだ。」 就職活動中の皆様へ送るメッセージ その1 - 地球を、開けよう。に関し、Akanee41さんからいただいたトラックバックへのご返答、第2弾です!!(第一弾はこちら


質問↓



国際交流分野でいうと、国際交流基金の他にも、ボランティアとしてや、市の交流センター、大学法人での留学サポートなどでも国際文化交流に触れ、人々を繋げ、異文化理解を促進していける舞台があると思います。しかし、日本で唯一の専門機関である国際交流基金で働くということは、国際文化交流分野の他の機関と比べて、どんな違った魅力があるのでしょうか?同じ国際交流の分野における他の事業に比べ、JFで働く醍醐味とはズバリどういったところにあると思われますか?






どうもありがとうございます!!







 ということで、昨日ランチ(於:ばん辛@四ツ谷荒木町)で同じ課のEちゃん先輩にJFで働く醍醐味についてインタビューしてみました。*1


M:


 ボランティアやNPOを初めとして、国際文化交流に携る機会が増えている中で、うちで働く醍醐味って何でしょうね? 





E:


 JFの仕事って、他の似たような団体と比べて何が違うのって聞かれて、よく僕が言ってるのは、うちは「専門商社」じゃなくて「総合商社」なんです、っていうことかな。基金には文化芸術も、映画とか舞台とか出版とか美術とか色々あるし、これ以外にも、日本語教育、日本研究やら、いろんなセクションがいろんなネットワークとか、ノウハウを蓄積してて、横断的に事業を組み合わせることも多いじゃない。





M:


 確かに。白紙のところに、組織が持ってるすべてのスキームやらノウハウやら、ネットワークを駆使して事業を組み立てるようなところがあって、あれは確かに面白いですよね。うまく表現できないですけど。





E:


 Mさんもそうだけど、JFに入社すると、いろんなセクションに異動するじゃない? 僕の場合、映画・テレビ関係の後、いきなり日本語教育だったし、あと、別に希望してなかったけど、総務とか、人事とか、情報システム部門も経験させられた。(笑)





M:


 私は最初は日本国内向けにアジア文化を紹介する部署で、その次が日本語研修、そして希望してなかったけどバンコクでした。(笑)





E:


 JFで仕事するなら、「これしかやりたくない」とか「この国以外は赴任したくない」とかだと、本人もつらいかもね。いろんな分野があるから。文化にかかわる、ありとあらゆる分野の人と仕事するから、浅くてもいいから、なるべく広いカバー範囲を持ってる、関心を持ってることが大事じゃないかな?


まあ、自分は、飽きっぽくて、いろんなことに関心を持っちゃう性格だから、3年くらいで、いろんな分野を経験できるっていう、JFの仕事が性にあってるだけなのかもしれないけど。


Mさんは、どう?





M:


 私もどちらかと言うといろんなことを経験したいって思うタイプです。それと、いろんな分野を経験していたほうが、事業のアイデアに幅が出るように思います。





E: 


 仕事をしていく上では、もちろん得意な分野は多ければ多いほどいいから、それを伸ばすようにしつつ、ひとつのことにこだわらないで、どんな分野のセクション、国に行っても、新しいことを学べる、また、ひとつ得意分野が増えそうって、楽しめる人があってると思う。だから、たとえば美術が専門で、それだけを通じた国際交流がやりたい人はむしろ美術館に就職したほうがいいし、映画の専門だったら、映画会社の国際営業とか国際映画祭の事務局とかを目指した方がいいかも。





何か自分のテーマに特化したところで働くのもいいと思うんだけど、うちは、文化という大きなくくりの中で、いろんなことができるところに醍醐味があると思います。





M:


 自分のテーマがある人は、それを深く追求することもできなくはないけど、どっちかといえば、広くいろんなことをやりたい人に向いている職場かもしれないですね。国際文化交流を総合的に扱う「総合商社」だっていうことがそのまま醍醐味ってことですね。





E:


 入社当時に先輩から聞いて、「なるほど」って思った言葉があるんだよね。「アームズレングスの原則(arm's length principle)」っていうの。JFみたいな公的な文化交流機関で仕事をするときの、政府との距離感。肘から手の先くらいまでの距離感を保ってるっていうのがいいっていう例えなんだけど





 文化って、つまり「人間の生き様すべて」を扱ってる訳だから、その中には、きれいなもの、美しいものだけじゃなく、暴力だとか性表現だとかも含まれてるでしょ。きわどいものも結構あって、国が直接実施する場合は、ちょっと・・という表現の芸術でも、うちみたいな公的色彩を帯びつつも国そのものと適度な距離がある団体だと、表現の方法にはとらわれずに、大事なものはちゃんと扱うことができる、というところがあると思うんだよね。





 あと、マニラに駐在していたときの話なんだけど、フィリピンでは戦時中100万人以上のフィリピンの人たちが亡くなったといわれていて、日本というと戦争の記憶抜きに語れないところもあって、国の立場だとなかなか協力することが難しそうなテーマの案件が実際あります。そういうのも、国とちょっと距離のある機関だからこそ、協力しやすいこともあるんだよね。








 日本に対してネガティブな記憶がある国で、日本の「政府」機関が協力することへの現地の人の印象は、民間団体の場合とはちょっと違っていて、何か警戒心を持たれてしまうこともある。でも実際事業をやってみると、「日本という国はこういうことにも協力してくれるんだ」っていう、好意的な反応をもらったんだ。こういうことが、長期的に広い視野で見たら日比両国の前向きな関係に確実につながっていくと思うんだよね。








M:


 なるほど。政府からは距離があることで、日本と世界との関係で考えれば大切だけど国としては扱いにくいテーマに関わることもできるけど、逆に完全な民間ではなくて「政府関係機関」だっていうことで、現地の人に違った形のインパクトを与えることもある。つまり、ちょうど国と民間の間にいる団体だからこその利点を生かして長期的には日本の対外関係や外交環境を整備していくことに貢献できるっていうことですね!





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Akanee41さん。とてもいい質問ありがとうございました。おっしゃるとおり、今は色々なところで国際文化交流に関わることができます。世界と仲良くしたい!という思いはひとつ。その中で、政府と民間の中間の立場に居るという利点を生かして、私たちは日々活動しています!




*1:Eちゃん先輩はバンコクとマニラに駐在経験があり、タイ語、フィリピノ語、英語に加え、なんとトンガ語をも操る笑顔がさわやかな体育会系男性です。(「あっ、フィリピノ語とトンガ語は、片言しかしゃべれないっす」(本人談))





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